全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権(19日、東京・大田区総合体育館)はジェイク・リー(33)が王者・宮原健斗(33)を破り、第66代王者に返り咲いた。

 ゆかりの地で再びトップに君臨した。ジェイクにとって同会場は、昨年6月の同王座決定巴戦で初戴冠を果たし、10月のV3戦で宮原と60分フルタイムドローを戦った思い入れのある場所。そしてこの日は宮原との完全決着戦と位置づけ、入場時からいつもとは違うオーラをまとっていた。

 試合は序盤から目まぐるしく展開し、場外戦で体力を削り合う。リングに戻ってからも両者のキックやエルボーの打ち合いが続き、ジェイクがスリーパーを仕掛けるも宮原がロープに逃れるなど決定機は訪れない。

 そして宮原からラリアートからのジャーマンで3カウントを狙われるも、この窮地を脱出したジェイク。最後は渾身のD4C(垂直落下式ブレーンバスター)を決めて勝利し、昨年末に負傷離脱のため返上を余儀なくされた王座を取り戻した。

 激闘を制したジェイクは、宮原に向かって「お前がいたからここまで来れた。ありがとう」と感謝を述べた。すると、直後に極悪軍団「ブードゥー・マーダーズ(VM)」に再加入した〝暴走専務〟諏訪魔が登場。「3冠のベルト、俺に挑戦させろ」と要求され、新王者は即座に「もちろん、いいとも」と快諾した。

 さらに新王者は、団体の50周年記念大会(9月18日、東京・日本武道館)へ「俺が引っ張っていく」と宣言。「全日本の選手、それ以外の選手も武道館に出てみたくないか? 名乗りを上げろ。自分自身をもっとアピールしろ」と、団体を問わず早くもV2戦以降の相手を募集した。新王者の防衛ロードに注目だ。