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掲載日: 2008年 05月 12日

Twitter日本語版がしかけるミニブログ戦争

海外では既に人気のネットサービスとして定着しているTwitter。日本でも昨年春頃から同様のサービスが次々にスタートしていますが、先月22日、そのTwitterの日本語版、Twitter Japanがついにスタートしました。

ついに日本語版が開始されたTwitter
ついに日本語版が開始されたTwitter

全角140文字以内で「What are you doing?(今、何をしてますか?)」という質問にただ答えていくだけというTwitterですが、その後、日本でも始まった同様のサービスも含め、まだまだ一般的な認知度は低いようです。今後、このサービスが日本で普及していくには何が必要なのでしょう?

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Twitterが日本で本格普及しない理由

Twitterが日本でまったく普及していないということはありません。日本でもいわゆるアーリーアダプターと呼ばれる人々や、ネットのヘビーユーザーの間では、既に人気サービスとして定着しています。例えばTwitterが処理するトラフィックのうち約23%が日本向けですし、地域別の記事投稿数も全世界で東京が1位という結果も出ています。

Twitterが日本で本格的に普及しない大きな原因として、シンプルで面白いサービスではあるものの、英語版であることに加え、ネットのライトユーザーが自分で発言するだけではなく、自分の趣味に近い人やネット上で自分にとって有益な情報を出してくれる人の発言をマイページ上に表示する機能(Follow)というTwitterの特徴をうまく使いこなせていないということが考えられます。

Twitterの面白さは、Followを使うことによって、随時、多くの情報をリアルタイムで得られるという点です。一説には100人ぐらいFollowすると俄然、面白くなるとも言われています。

しかし日本人(特にライトユーザー)は、mixiなどのSNSで足あとを残してくれた人にコメントをしたり、ブログでもトラックバックをされた時にコメントするなど、何らかの接触があった際には必ず、挨拶、お礼をするということに慣れています。そういった部分を省略し、とにかく気になる人をFollowしていくというTwitterにはなじめないのかもしれません。

またそもそも、自分の趣味に近い人や自分にとって有益な情報を出してくれる人をどうやって探せばいいのかわからないし、そんなに面倒なことをしたくないという人も多いでしょう。

Twitter日本語版がライトユーザーに認知されるためには?

まず、英語サイトということで、多くの日本人にとってとっつきにくかったという問題は、日本語版がスタートしたことによって解消され、今後は今まで敬遠していたユーザーも流入してくるでしょう。

また、Twitter日本語版は、独自にバナー広告をスペースを作るなど、実験的なサービスを積極的に投入していくということですが、基本的には今のシンプルさを生かし、拡張機能はAPIによって、外部で作ってもらいたいとしています。上記したように自分に近い人、自分にとって有益な人を簡単に探せるツールなどが提供されるようになるかが、ライトユーザーを引き込む重要な鍵となりそうです。

<次ページでは、日本の同様のサービスの戦略についてみていきます。>
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