スマールタ派(読み)スマールタは(英語表記)Smārta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スマールタ派」の意味・わかりやすい解説

スマールタ派
スマールタは
Smārta

ヒンドゥー教一派スマールタスムリティ (聖伝書) に基づくという意味で,特に『グリヒヤ・スートラ』に規定された簡単な祭式を行う者をさす。したがって,ヒンドゥー教の正統な哲学諸派はすべてこのうちに含まれる。複雑な祭式が次第にすたれ,これに対して土俗的な神々が信仰の対象となり,これが『グリヒヤ・スートラ』に規定された簡単な祭式によって尊崇されるようになり,これがスマールタ派の起源とみられる。おそらく7世紀の初め頃,ビシュヌ,シバ,ドゥルガー,スーリヤ,ガネーシャの5神を礼拝する宗教儀式の実修がすすめられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スマールタ派」の意味・わかりやすい解説

スマールタ派
すまーるたは
Smārta

ヒンドゥー教の一派。スマールタとはスムリティ(聖伝書)から派生した語で、スムリティに定められた諸規定を守る者をいう。元来は、『シュラウタ・スートラ(天啓経)』に規定された公の祭式を行う者と対比して、スムリティとくに『家庭経』に規定された家庭内での簡単な祭式を行う者のことをいったが、現在では、おもに南インドでシャンカラ系のベーダーンタ説を奉じている人々をさす。

[島 岩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

再生可能エネルギー

自然の活動によってエネルギー源が絶えず再生され、半永久的に供給され、継続して利用できるエネルギー。有限の資源である化石燃料などに代わる、新エネルギー(中小規模水力・地熱・太陽光・太陽熱・風力・雪氷熱・...

再生可能エネルギーの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android