理論上は「無限に飛ぶ」原子力巡航ミサイル、プーチン大統領が発射実験成功と発表

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 ロシアのプーチン大統領は5日、露南部ソチで開かれた国内外の専門家らが集まる「バルダイ会議」で演説し、開発中の新型原子力巡航ミサイル「ブレベスニク」の発射実験に成功したと明らかにした。核実験全面禁止条約(CTBT)の批准を取り消すことを示唆し、核実験再開の可能性もちらつかせた。

演説するプーチン大統領(5日)=AP
演説するプーチン大統領(5日)=AP

 ブレベスニクは核弾頭を搭載することが可能。プーチン氏が2018年に開発計画を公表した。推進力として小型原子炉を搭載し、飛行距離は理論上は「無限」とされる。プーチン氏は、ブレベスニクの開発完了が近いことを明らかにしたが、発射実験の詳細には言及しなかった。

 ブレベスニクを巡っては、米紙ニューヨーク・タイムズが2日、衛星画像などの分析の結果、露政府が最近、発射実験を実施した可能性があると報じていた。米軍は、ここ1~2年の間に露軍が太平洋と大西洋に原子力巡航ミサイルを備えた攻撃型原子力潜水艦を展開する可能性があるとして、警戒を強めている。

 プーチン氏は、露政府が核兵器の使用条件などを定めた「核抑止力の国家政策指針」の改定は必要ないとしつつ、CTBTを米国が批准していないことに触れ、露側も「理論上は批准を取り消せる」と述べた。1996年の国連総会で採択されたCTBTは、すべての核実験を禁止する条約だが、米国や中国など一部の署名国が批准せず発効していない。核実験に踏み切る可能性を示唆し、米欧を威嚇した発言とみられる。

 今年6月以降のウクライナによる大規模な反転攻勢について、プーチン氏は、「ウクライナ軍は9万人以上の人や、557両の戦車、1900台近くの装甲車を失った」と述べ、ウクライナ側が打撃を受けていると主張。ウクライナは米欧の経済・軍事支援に依存しているとし、支援が止まれば、「1週間しかもたない」などと訴えた。

 対露制裁を続ける日本との関係については「我々が日本に制裁を科したわけではない。対話の窓を閉ざした側から申し出があれば応じる用意がある」と語った。

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