2008年のジャパンカップ勝ち馬で、種牡馬としてもモーリス、ウインマリリン、ゴールドアクターといったGI馬を送り出したスクリーンヒーロー(19歳)が種牡馬を引退することになった。10日、これまで繋養されてきた北海道新ひだか町のレックススタッドが同馬の退厩を発表。今後は生まれ故郷の北海道千歳市・社台ファームで余生を過ごすことも合わせて発表された。
スクリーンヒーローは名牝といわれた祖母ダイナアクトレスと同じ美浦・矢野進厩舎の管理馬としてデビュー。競走生活の序盤はダート路線を歩んでいたが、ラジオNIKKEI賞2着、セントライト記念3着と徐々に芝でも好走するようになった。しかし、セントライト記念のレース後に骨折が判明。長期休養に入る。この間に矢野調教師が定年を迎えたことで鹿戸雄一厩舎へ転厩。復帰戦を勝利で飾ると、とんとん拍子に出世してアルゼンチン共和国杯を優勝し、9番人気の低評価だったジャパンCでもディープスカイ、ウオッカという2頭のダービー馬を破って戴冠した。
グラスワンダーの後継馬という期待を集めて種牡馬入りすると、初年度産駒は早期の活躍こそなかったが、モーリスが古馬になって本格化を遂げ、国内外でGIを6勝。同じく初年度産駒のゴールドアクターも晩成の血が開花して有馬記念を制した。牝馬ではウインマリリンが昨年の香港ヴァーズを優勝している。
■スクリーンヒーロー 父グラスワンダー、母ランニングヒロイン、母の父サンデーサイレンス。北海道千歳市・社台ファーム生産。通算23戦5勝(うち重賞2勝)。