豊洲「千客万来施設」、20年には暫定店舗設置
東京都は29日、10月に開場する豊洲市場のにぎわい創出に向けた計画の素案を明らかにした。2020年の東京五輪・パラリンピック後に着工する集客施設「千客万来施設」は22年12月に完成、23年度に開業する。完成までの間は食やスポーツのイベントを実施する。市場の他の敷地も活用しながら「段階的・重層的ににぎわいを創出する」(都)としている。
都が江東区議会の特別委員会で示した。19年4月から20年10月の着工までの間、都や民間事業者による料理フェアや五輪関連のイベントを開く。イベント開催時には豊洲市場を一般にも開放することも検討する。
都は豊洲市場内に千客施設とは別に約6000平方メートルの集客用地を持っており、これも併せて活用する方針だ。
23年度の同施設開業まで、豊洲のにぎわいを創出するため、20年1月にプレハブやテントを使った暫定施設「場外マルシェ」で飲食店や物販店を設置する。深川めしなど地元江東区の名物料理を提供するなどの案もある。地域住民のみならず観光客も楽しめる施設にする。千客開業後は新たな事業者を公募し、常設施設の設置を目指す。
千客施設は当初、18年から段階的に開業する計画だったが、事業者の万葉倶楽部(神奈川県小田原市)が工事費の高騰などを背景に着工延期を要請。五輪・パラリンピック後の着工とする方向で調整していた。
都は今回素案は示したものの、事業運営費の規模や財源はまだ定まっていない。民間のアドバイザリーを活用して今後詳細を詰める方針だ。事業開始までの時間は迫っており、都は準備を急ぐ必要がある。