5年前のブラジル人姉妹死亡 放火容疑、元内縁の夫逮捕

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 愛知県半田市で2015年12月、県営住宅の一室が全焼しブラジル国籍の姉妹が遺体で見つかった殺人・放火事件で、愛知県警は8日、ペルー国籍の無職ラ・ロサ・ビテ・エドガルド・アントニー容疑者(34)を現住建造物等放火の疑いで逮捕し、発表した。黙秘しているという。アントニー容疑者は妹の元内縁の夫で、県警は姉妹が死亡した経緯についても調べるという。

 半田署捜査本部によると、アントニー容疑者は15年12月30日、半田市一本木町2丁目の鉄骨4階建て県営西亀崎住宅の3階の一室にガソリンをまいて放火した疑いがある。

 室内で、アマリリア・マルヤマ・キンベルリ・アケミさん(当時27)と、姉ミシェリさん(同29)が遺体で見つかった。玄関は無施錠で、遺体周辺が激しく焼け、台所に5リットル入りのガソリン携行缶がほぼ空の状態で見つかった。2人の首に圧迫痕があり、県警は殺人・放火事件とみて捜査本部を設置。防犯カメラの映像を最新の技術で解析するなどの捜査を進めたという。

 同容疑者はアケミさんの元内縁の夫で、火事の直前、同容疑者によく似た男が車で県営住宅の駐車場から走り去るのを近くの住民が目撃していたという。

 県警は火災当日の夜、名古屋市で車を運転していたアントニー容疑者を道路交通法違反(無免許運転)容疑で逮捕。車にはアケミさんの娘2人(当時5歳と3歳)も同乗していたという。公判資料によると、同容疑者は1991年に父親らと来日。事件当時の在留資格は定住者で、足場工をしていたという。

 現場の住宅はJR武豊線亀崎駅から北西約1キロ。

 現場近くの60代のパート女性は、アントニー容疑者とみられる人物が、姉妹と子どもたちを連れて仲が良さそうに外出するのをよく見かけたという。日本語であいさつを交わしたこともあった。逮捕の知らせに、「未解決だと思っていたので驚きました」と話した。現場の住宅に住んでいた男性(37)は事件直後、「普通の夫婦のように見えた。けんかしている様子も全くなかった」と話していた。

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