「もういいです」千賀72球で感じた「圧倒的キャリアハイ」への手応え

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 ◆オープン戦 ソフトバンク5-1広島(18日、ペイペイドーム)

 ソフトバンクの開幕投手を務める千賀滉大投手(29)が「3・25」へ快投デモを繰り広げた。オープン戦最終登板の広島戦で今春最長の7回を1失点。最速158キロの直球に代名詞のフォーク、シンカーなどを交えて8三振を奪った。今春初登板だったペイペイドームのマウンドの状態もきっちり確認。3年ぶり3度目の大役で、新庄ビッグボスが率いる日本ハムを今回と同じ本拠地で迎え撃つ。

   ◇   ◇

 万全の手応えに、今春最長の6回を投げ終えた千賀は「もういいです」と交代を申し出た。90~100球を予定した登板で、この時点の球数は72球。「球数が足りない」と苦笑いの藤本監督に、「30~40球放ってきます」とジョークを飛ばしてマウンドに向かった。

 7回は連打で1死一、二塁としたが、末包と代打長野をフォークで2者連続の空振り三振。要した球数は18球。最終的に90球を投げた右腕は「次に投げるのは公式戦だと思うので、そこに向けてうまく時間を使っていきたい」。コメントにも自信と余裕が漂った。

 本拠地ペイペイドームでは今年初登板。登板前は「マウンドの感じが変わったので確認したい」と話していたが、いきなりエンジン全開だ。初回は先頭西川をこの日最速の158キロ直球で遊ゴロ。代名詞のフォークなど変化球も交えて3回まで完全に抑え込んだ。

 序盤に多投したシンカーやカーブには「日頃使わない球が少しずつめどが立ってきた」と手応えを口にした。対照的に7回も150キロ台を連発した直球は「感覚としてはすごく良かったわけではない。出そうと思う部分とずれがあったので」と貪欲に語った。

 オープン戦は3試合に登板。初登板した2月26日のオリックス戦で3回4失点とやや乱れたが、その後の2試合はいずれも1失点にまとめた。この日は4回に1点を失ったが、フォークの割合も増やした5回以降に6奪三振。投げるごとにギアも上がってきた。

 新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者になる可能性があり、オープン戦の登板を1度飛ばしたアクシデントも乗り越えた。3年ぶり3度目の大役を託した藤本監督も「あと10球は投げてもらいたかったが、この投球なら大丈夫。安心して送り出せる」と笑った。

 1週間後の25日。新庄ビッグボスが率いる日本ハムを今回と同じ本拠地ペイペイドームで迎え撃つ。「(シーズンが)始まってしまえば、どこのチームも関係ない。いい球をミットに投げる準備をするだけ」。覇権奪回を目指す2022年の先頭に立つ。(伊藤瀬里加)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ