羽生善治棋聖と井山裕太十段に国民栄誉賞授与、正式決定

 安倍晋三首相は5日、将棋界で史上初の「永世七冠」を達成した羽生善治棋聖(47)と、囲碁界で初めて七大タイトル独占を2度果たした井山裕太十段(28)に国民栄誉賞を同時授与することを決めた。菅義偉官房長官が同日の閣議で報告した。将棋界と囲碁界からの受賞は初となる。授与式は2月13日。安倍首相が昨年12月13日に、両氏への国民栄誉賞授与を検討するよう指示していた。

 首相は閣議後の政府与党連絡会議で「歴史に刻まれる偉業を達成し、国民に夢と感動を、社会に明るい希望を与えた。ますますの活躍を期待したい」とたたえた。菅氏も記者会見で「多くの国民に夢と感動を、社会に明るい希望と勇気を与えることに顕著な業績があった」と説明した。

 羽生棋聖は昨年12月5日、第30期竜王戦七番勝負の第5局で勝利し、竜王位を奪取。通算7期の竜王位獲得で「永世竜王」の資格も得た。これにより永世称号の規定がある名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖とあわせ前人未到となる「永世七冠」を達成した。

 埼玉県出身で昭和60年にプロ入り、史上3人目の中学生棋士となった。平成元年に初のタイトル「竜王」を奪取。8年に七冠独占を成し遂げた。元年以降、常に何らかのタイトルを保持するなど、30年にわたって将棋界の第一線で活躍し続けている。

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