NEC正社員の男性自殺 労災認定で逆転勝訴

 平成21年に会社員の男性=当時(49)=が自殺したのは、仕事上の激しいストレスでうつ病になったのが原因だとして、妻が遺族補償を支給しなかった三田労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は21日、請求を棄却した1審東京地裁判決を覆し、労災と認め、処分を取り消した。遺族側が逆転勝訴した。

 判決によると、男性はNEC(東京)に正社員として勤務。芸術文化支援活動を長年担当していたが、考え方の違いから上司とトラブルになり、21年1月ごろ、うつ病を発症した。4月に未経験のIT関連業務の担当となり、達成困難なノルマを課されたことで、5月ごろ再発し、7月に自殺した。

 川神裕裁判長は「変更後の業務内容と男性の能力・経験との間に大きなギャップがあり、容易には対応できなかった」と指摘。うつ病の発症・悪化は、業務上の心理的負荷が原因だと認めた。

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