【阪神】大誤審で首位再浮上!延長12回田中の“本塁打”が三塁打に

2015年9月13日6時0分  スポーツ報知

 ◆阪神2―2広島=延長12回規定により引き分け=(12日・甲子園)

 和田阪神が、大誤審に助けられてヤクルトと同率首位に再浮上した。同点の延長12回1死で、広島・田中の打球は中堅フェンスを越えたが、ビデオ判定を行った審判団はインプレー(三塁打)とジャッジ。この回を無得点でしのぐなど、運も味方につけ、投手5人の必死の継投を実らせた。

 勝敗を決したはずのボールがグラウンドに舞い戻った。延長12回1死。田中の放った大飛球は、ジャンプした中堅・俊介のグラブを越えた。打球は「フェンス上部付近」で跳ね返り、田中は俊足を飛ばして三塁へ。広島・緒方監督が抗議に走り、オーバーフェンスしたかどうかをめぐってビデオ判定に持ち込まれた。

 和田監督が「ベンチからではあそこは見えない」と話したように、肉眼でのジャッジが難しいきわどい打球。動画を確認した東三塁塁審(責任審判)は「バックスクリーン方向からの映像を見た。3回映像を見て、(審判団の)意見が一致した。ラバーとフェンスのところに跳ね返っていた。(フェンスの)上は越えていない」と、インプレーで三塁打として試合を再開した。

 しかし、カメラが捉えた静止画では、ボールを中堅フェンス奥に捉えており、打球がフェンスを越えていたのは明らか。甲子園の外野フェンスの観客席側には、通路上部に観客のグラウンド進入を防ぐワイヤが設置されており、そこに打球が跳ね返ったとみられる。

 “勝ち越し弾”を免れ命拾いした猛虎は、1死三塁のピンチをなんとかしのいで無失点。先発の能見が7回2失点と好投し、8回からの5イニングを福原、呉昇桓ら勝ちパターンの投手で無失点でしのいだ。野手を全員使い切り、12回の攻撃では2死一塁から、ゴメスに代わり投手の島本を代走に送るなど、執念のドロー劇で同率首位に再浮上。指揮官は「きわどいプレーが多かったけど、しっかり守ってくれた。2番手以降(の投手)がしっかり頑張ってくれた」と、疲労感をにじませた。(辻 圭太郎)

 ◆誤審といえば… 1992年9月11日のヤクルト戦(甲子園)で3―3の9回2死一塁、八木の左翼への打球はフェンス上部のラバーに当たり跳ね返ってスタンドイン。本来なら二塁打とジャッジされるはずが、いったんは本塁打とされ、のちに判定が覆った。審判はミスを認め、中村監督が猛抗議したが状況は変わらず。日付が替わり史上最長6時間26分の総力戦はドロー。優勝争いしていた阪神はリーグ優勝を逃した。

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