2分の囲み取材で6度連呼 藤本監督がエース千賀滉大に託したあの男退治

西日本スポーツ 長浜 幸治

 第一関門突破へ「どすこい」黙らせる!! 8日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ開幕を前に、ソフトバンクの藤本博史監督(58)が7日、西武の山川封じを突破の鍵に挙げた。優勝マジック1で迎えた1日の西武戦では延長11回にサヨナラ2ランを浴び、歴史的なV逸の大きな要因となった。この日は囲み取材の2分間で6度も相手主砲の名前を口にするなど、警戒感はマックス。初戦を託した千賀滉大投手(29)にエースらしい投球を期待した。

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 「山川に打たれて負けた試合がだいぶある。1日の試合も山川にああいう形で打たれたし、一番要注意」

 本拠地で全体練習を見守った藤本監督。囲み取材で話題が対戦相手の西武に移ると口調が熱を帯びた。2分間で実に6度も山川の名を出した。

 これだけ警戒するのも無理はない。1日の試合では引き分け以上でリーグ優勝が決まる中、延長11回2死一塁で山川にサヨナラ2ランを浴びた。歓喜の瞬間まであとアウト四つの状況から急転直下の悲劇。「10・2」のV逸につながった。

 相手主砲には1年を通して苦しめられた。ソフトバンクに対し、山川は打率3割2分9厘、7本塁打、20打点をマーク。打率、打点はパ5球団の中で最も打ち込まれた。「攻めて攻めてね。逃げて逃げては逆にやられる。攻めた中での四球はオッケーじゃないかな」。藤本監督は投手陣に攻め抜く勇気を求めた。

 指揮官の求める姿勢はエースが体現する。「誰がどう見てもいいバッターなのは間違いない。とにかくいいパフォーマンスをするだけ」。初戦を任された千賀は意気込んだ。山川との今季対戦成績は8打数3安打1本塁打。その怖さは十分知っているが、ひるむつもりはない。

 ここまでクライマックスシリーズは10試合(先発8試合)に登板して2勝3敗。防御率は1・95とさすがの成績を残している。今回は気持ちが入りすぎてしまう初戦。「熱くなりすぎないように」と大一番でも自然体を貫くつもりだ。

 藤本監督は練習後に行われた前日会見でも警戒する打者に山川を挙げた上で、「うちのエースとして一番信頼できる投手。千賀でまず1戦目を取りたい」と期待した。エースが相手主砲を封じ、CS突破への上昇気流をつくり出す。(長浜幸治)

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