平成20年6月10

地上デジタル放送のギャップフィラーが導入しやすくなりました!

山間辺地等での設置における免許手続の簡素化
  総務省は、山間辺地等において地上デジタルテレビジョン放送が難視聴となっている場合の対策手法として有効な無線共聴施設(いわゆるギャップフィラー)について、その用途拡大や免許手続を簡素化する制度改正を本年5月30日に行いました。

1.建造物遮へいによる難視聴対策用にギャップフィラーが使用できるようになりました。
  平成23年の地上デジタル放送への完全移行に向け、今後、全国で中小規模の中継局整備が加速される予定ですが、デジタル放送の電波が届きにくい地区での地上デジタル放送の難視聴解消のための有効な手段として、小規模な無線設備であるギャップフィラーに期待が寄せられています。
  山間辺地や地下街でギャップフィラーを使用するために必要な無線局免許に関する制度化は昨年10月に完了していますが、都市部の建造物や丘陵の遮へいによる難視聴やデジタル混信による受信障害の対策用としてもギャップフィラーを使用できるようにするため、昨年8月から情報通信審議会において制度化に向けた検討が開始され、その結果、本年1月に新しい用途のためのギャップフィラーの技術的条件に関する答申を頂きました。
  その後、総務省として制度化の検討を進め、制度改正案のパブリックコメント等の手続を経て、本年5月30日から上記の用途にもギャップフィラーが使用できるようになりました。
  今回のギャップフィラーの用途拡大により、各種の難視聴対策用としてのギャップフィラーの導入が進展し、地上デジタル放送の普及が加速することが期待されます(ギャップフィラーの置局イメージは別紙1(PDF)のとおりです。)。

2.簡易な免許手続を受けることが可能になりました。
  市町村や共聴施設管理者、建造物の所有者等が受信障害対策中継放送制度(※)を利用してギャップフィラーの免許人となる場合が想定されることから、地上デジタル放送の普及促進のため、無線局免許手続を簡素化することによって手続上の負担を極力軽減することが求められていました。
  このため、上記のギャップフィラーの用途拡大に併せて、ギャップフィラーを電波法に基づく技術基準適合証明を受けることができる対象と位置づけるとともに、技術基準適合証明を受けたギャップフィラーの機器(技術基準に適合しているものとして適合表示が付されたもの)を用いる場合は、本年5月30日から簡易な免許手続の適用が可能となりました。
  簡易な免許手続が適用されることで、予備免許及び落成検査が省略されて無線局免許が付与されることになりますので、ギャップフィラーを迅速に設置することが可能となります。
  なお、放送事業者にとっても、技術基準適合証明を受けたギャップフィラーの機器を用いることで簡易な免許手続の適用を受けることができますので、迅速な中継局整備が行うことが可能となりました。

 (参考)「受信障害対策中継放送制度」とは
  受信障害対策中継放送とは、電波法において定められている放送局の一種で放送事業者以外の者が受信障害が発生している区域において地上デジタル放送の放送局の免許を取得して再送信のための放送を行うことができる制度です。

3.無線従事者の資格を要しない簡易な操作が可能になりました。
  地上デジタル放送の放送局の無線設備の操作は、通常は無線従事者の資格を有した者のみが行うことができますが、ギャップフィラーの無線設備(技術基準適合証明を取得した空中線電力が0.05ワット以下のものに限ります。)の操作については、本年5月30日から無線従事者の資格を要しない簡易な操作をすることが適用可能となりました。
  この制度改正によって、無線従事者の資格を有しない市町村や共聴施設管理者、建造物の所有者等であってもギャップフィラーを容易に設置することが可能となりました。

4.無線局免許取得のための手引き書が参考になります。
  以上の制度改正を反映した「地上デジタル放送の難視聴解消のための免許申請の手引き」(平成19年12月6日公表)を改訂しました。この手引きは、ギャップフィラーの設置に必要な免許申請を円滑に行うために参考となるものですが、総務省のウェブサイト(http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/manual.html)でダウンロードできますし、各総合通信局の放送担当課においても入手できます。


〔参考〕
  ギャップフィラーを活用した辺地共聴施設について国の支援事業を利用できます。
      山間部等において地上デジタル放送を受信するために、市町村や共聴組合が整備した既設の辺地共聴施設の改修に際し、ギャップフィラーを活用する場合、事業費の1/2を補助する総務省の無線システム普及支援事業が利用できます(現在アナログテレビジョン放送の受信が可能であっても地上デジタル放送が受信できないために共聴施設を新設する場合を含みます。)。
  本事業の概要は別紙2(PDF)のとおりです。また本事業は、地上デジタル放送を受信するために既設の有線共聴施設を改修する場合も利用できます。

(関連報道資料)
1及び2に関する報道資料
  • 地上デジタル放送の中継局に係る技術的条件の検討開始 難視対策のためのギャップフィラーの制度化に向けて(情報通信審議会での検討開始)【平成19年8月30日】
    http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070830_7.html
  • デジタル混信等の難視対策のためのギャップフィラーに関する技術的条件(情報通信審議会からの一部答申)【平成20年1月31日】
    http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080131_2.html
  • 無線局免許手続規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部改正案に係る電波監理審議会答申及び同改正案等に対する意見募集の結果【平成20年4月9日】
    http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080409_2.html
3に関する報道資料 4に関する報道資料
  • 地上デジタル放送の難視聴解消のための免許申請の手引きの公表 山間地等における無線共聴施設(ギャップフィラー)の円滑な設置に向けて【平成19年12月6日】
    http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/071206_1.html


(連絡先)
1及び2に関すること
  情報通信政策局 放送技術課
    山口課長補佐、遠藤映像計画係長
    電話 (代表) 03-5253-5111(内線5787)
(直通) 03-5253-5787
    FAX 03-5253-5788
3及び4に関すること
  情報通信政策局 地上放送課
    遠藤課長補佐、今井公共放送係長
    電話 (代表) 03-5253-5111(内線5793)
(直通) 03-5253-5793
    FAX 03-5253-5794
支援事業に関すること
  情報通信政策局 デジタル放送受信推進室
    成田課長補佐、池田対策推進係長
    電話 (代表) 03-5253-5111(内線5949)
(直通) 03-5253-5949
    FAX 03-5253-5818