国土交通省がタクシーの初乗り料金を引き下げる方向で検討している。訪日外国人観光客が急増するなかで、海外の主要都市と比べた日本の初乗り料金への割高感が強まっているためだ。ただ、引き下げはタクシー会社の大幅な減収につながる可能性があるため、2016年度に実証実験を行って効果を検証する。
東京ハイヤー・タクシー協会の調査では、全利用者のうち27%が初乗り料金内での利用で、その平均移動距離は1.41キロにとどまる。外国人観光客以外にも、高齢者の買い物や通院など、近距離移動の需要が増えている実態もある。
実験では、国交省がタクシー会社に呼びかけ、手を挙げた会社に実際に引き下げて営業してもらう。実験の期間や引き下げの幅などの詳しい条件は、今後、有識者会議で詰める。
この記事は有料記事です。
残り727文字(全文1058文字)