「歌」へのこだわり

――3人が、演じられているキャラクターに近いものを持っているということがよくわかりました! 続いて、「8/pLanet!!」のことについてもお伺いさせていただければと思います。ゲーム内に登場するグループというだけでなく、みなさんも同じユニット名で活動されていますよね?

社本 そうなんです。ゲーム内に登場する8人のキャラクターを演じる声優たちが集まって、ライブ活動などを行っています。

金魚 実はユニット名も自分たちで意見を出し合って決めたんです! あれからみんなの距離が一気に縮まった気がする。

社本 最初はよそよそしかったよね。

吉村 うん。いろいろな事務所さんから集まってきているので、初めて会う人もいて。緊張したね。でもあそこからいろいろな意見を出せるようになった気がする。

――これから一緒に活動していくユニット名をみんなで考えることで、絆が芽生え始めたんですね。しかし、ユニット名の字面だけ見ると、初見の人はなかなか読めなさそうですね。

社本 た、確かに……。初めての人は読めないですよね。ごちゃごちゃしてて。

――それだけにインパクトがあると思います! ユニット名にはどういう想いが込められているのでしょうか?

吉村 色々な意見が出るなか、やっぱり作品にちなんだものがいいということで、「近未来」という『エビスト』の舞台を表現できるユニット名が採用されました。「/」が入っていたり、「!!」が入っていたりするのには、そういう意図があって「8/pLanet!!」になりました。

社本 略して読みやすいのもポイントでした! 皆さまにはぜひ「ハニプラ」と呼んでいただければと思います!

――「8/pLanet!!」もとい「ハニプラ」はとてもオシャレでセンスのある名前ですね。ちなみに、どなたが考案されたのですか?

社本 水瀬鈴音役の吉井彩実ちゃんです。あやみんは、何かを決めるときにはいつもオシャレでセンスのいい意見を出すんです!

金魚 言葉の選び方がすごいよね。

吉村 しかもそれが鈴音っぽいんです! どの意見もセンスがいいし、かわいい。

――3人の口ぶりから吉井さんのセンスの良さが伺えます。しかし、ユニット名もみなさんで考案されたとなると、コンテンツの立ち上げから結構関わっていらっしゃるのですね。

金魚 運営の方々が私たちの意見も尊重してやっていきたいと言ってくださって。私たちにとってはとても嬉しいことで、貴重な経験をさせていただいていると思っています。

――なかなかできない経験ですよね。それだけにコンテンツにかける想いも強くなると思います。オーディションのときからコンテンツを作り上げていくことにも関わっていくと伺っていたのですか?

吉村 ここまで関わるとは伺っていませんでした。むしろ結構ざっくりな説明だけでオーディションを受けた記憶が……。

2人 うん(笑)。

吉村 でも、「歌」という部分はオーディションでとても重要視されていたと感じています。グループとして活動していくというお話もしていただいていましたし、何より「音ゲー」というのが大前提にあるので、どれだけ演じるキャラクターとして歌えるか、という部分はしっかりジャッジされていたと思います。

――オーディションのお話を伺う限り、「歌」や「音楽」という部分には並々ならぬこだわりがあるようですね。

社本 演じている私たちもこだわりは感じていますし、実際、どの楽曲もオススメしたいです! レコーディングの度に仮歌を聴かせてもらうのですが、毎回「こんなすごい曲を歌わせてもらえるのか!」と感動してしまいます。また、新曲発表があるたびに先生方の反響もすごくて……。嬉しい言葉をたくさんいただきます。

金魚 それが励みになるよね。

――現在配信されている20近くの楽曲はすべてオリジナルですよね。みなさんはどの曲が一番お気に入りですか?

金魚 私は、「先手必勝スマイル」という曲です。疲れたときに聴くと元気がもらえます。歌詞に込められた想いが「届いて!」というのがすごく伝わってくるので好きですね。この曲、自分は歌ってないんですけどね(笑)。

社本 自分で歌ってない楽曲というのが、リアル(笑)。でも、なんか、すごく嬉しい。

吉村 私も「先手必勝スマイル」いいなと思う。というより好きな曲がありすぎる……。でも選ぶとすれば「BoyFriend」かな。楽曲も歌詞も少女漫画チックでかわいい。あと、振り付けも好き。曲の随所にクラップがあってライブでも盛り上がれる曲っていうのもいい。……もう全体的に好きです。

――楽曲に対する深い愛を感じます(笑)。

吉村 あとは最近、限定楽曲で配信された「Count It Down」もお気に入りです。この曲は、可愛い・カッコいいどちらかに振り切っていない、今までにない新しさを感じました。ポップで可愛いんだけど、カッコいい、といった感じがします。この曲は、金魚ちゃんと一緒に歌っています。

金魚 歌詞に恋愛要素も入ってていいよね。

吉村 もう、話が止まらなくなる(笑)。好きなことに関するスイッチが入るといつまでも喋っちゃう。

社本 やっぱり、ほたるちゃんそっくりだね。

――今まさに「ほたるちゃん」らしさを感じましたよ(笑)。社本さんはどの曲がお気に入りですか?

社本 私は「トキメキの15センチ」です。ひなたとほたるちゃんと、アンドロイドのメイちゃんの3人で歌っています! この曲のメロディーがすごく好きです。

吉村 わかる。

社本 歌詞にもすごいこだわっていただいていて、ブログで先生方には説明させていただいたのですが、歌詞にストーリー性があるんです。レコーディングの前に歌詞の意味を教えていただいたとき、とてもときめく曲だなと思ったんです!

――中でも注目してほしいポイントは?

社本 曲の最後に「あのね…」とつぶやくセリフです。そこの表現方法にすごく苦戦して。おそらく、地球上で「あのね…」と一番たくさん言ったのは私だと思います(笑)。

――一番だと思えるくらい、リトライされたのですね。

社本 でも、それだけ大切にしたかったんです。この曲は元々、ひなたがメインの曲だよっていただいた曲だったので、私の精一杯でひなたを表したかった。どうやればひなたで可愛く伝えられるのか、改めて考えさせられた曲です。好きですね。

――言葉の節々から大切にしたい気持ちが伝わってきます。さきほどセリフで苦戦されたと伺いましたが、そのほか、歌う上で苦労されていること・工夫されていることなどはございますか?

社本 似ている部分や共感できるところが多いので、ひなたとして歌う上で何か特別に苦労しているということはあまりないです。むしろ、歌よりセリフのほうで悩むことが多いです。

金魚 私はしゃもちゃんとは逆に、普段の声のトーンから杏梨ちゃんと違うので、まずトーンを低くするようにしています。音域が出ないときがあるので、必死に練習しています。あと、「セクシーさ」を表現することも少し難しさを感じています。私自身はそういうのとは無縁の生活を送ってきたので、どうしても作ろう、作ろうと意識してしまって。自分自身でしっくりこなかったり、指摘されたりすることがあります。意識しすぎず、でもセクシーさを忘れないように心がけています。

吉村 ほたるちゃんとして歌う上で常に気を付けているのは、彼女のテンションを意識することですね。実は最初、普段とライブで彼女のテンションが180度違うので、どう歌っていいのかわからず困惑していたんです。そんなとき、スタッフの方々に「吉村が思うほたるちゃんで上げるなら上げる、下げるなら下げる、そこでテンションを作っていけばいいよ」…って言われて。それからようやく歌えるようになってきました。ただ、ほたるちゃんってテンション上がると結構、声を張るんですよ。張ったまま歌うのが難しく、また、音域の問題もあって今も少し難航しています(笑)。