パソコンの表計算ソフト「Excel」の処理に使うエクセル関数を歌詞に取り入れたユニークなラブソングがネット上で人気を集めている。京都のパソコン教室とWebプランニング会社が制作したコラボ作品で、使いこなせば便利なエクセル関数に興味を持ってもらおうと企画された。
「私の心の中の関数」と名付けられたこの曲。web上で連載されている小説「東京エクセル物語」のテーマソングで、過去の恋愛を振り切れずにいる女性の気持ちを歌い上げたピアノバラードだ。歌詞には「AVERAGEじゃ計れないもの ISTEXT言葉たちを感じて」など、エクセル関数の用語が恋心と絡めて巧みにちりばめられている。
そもそもは、難しいと思われがちなこの関数を知ってもらおうと、全国でパソコン教室を展開する「イー・トラックス」(京都市)がWebプランニング会社「WEBライダー」(同市)にテーマソング制作を相談したのがきっかけ。「ラブソングにしたら面白いのでは」とひらめいたWEBライダー社長の松尾茂起さん(32)が作詞・作曲し、併せてWeb小説の連載も併せて開始。小説はエクセルで出会った男性をリスト化するのが趣味のOLを主人公とした。
できあがった曲は、ボーカルの透き通った声がピアノの伴奏に柔らかく乗っかり、とても心地よい。歌詞の関数も、さほど違和感なく頭に入ってくる。公開後は視聴者からの反応も上々で、ツイッターには「勉強になる!」「ためになる!」との声が寄せられている。
作品はネット販売・ダウンロードの他、「YouTube」などで試聴できる。ちなみに、ウイルス対策の大切さを訴えたカップリング曲「愛のウイルス対策」もノリの良い名曲だ。
小説は近々3話目が公開予定。「エクセル関数のことを知る機会になれば」とイー・トラックスの足立淳一常務(37)。この関数を使える人もそうでない人も一度聴いてみては。