コンテンツにスキップする
Subscriber Only
Photographer: Chan Long Hei/Bloomberg
Cojp

香港の警察官グループ、夜間外出禁止令の発動を政府に要請

更新日時
  • 警察官グループ:上層部からの適切な措置なしでは単独で仕事できず
  • 香港政府はマスク使用を禁じる法律などの措置も検討

香港の警察官で構成するグループは、物議を醸した植民地時代の緊急法の下で夜間外出禁止令などの権限を発動するよう政府に求めている。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はエスカレートする抗議行動への対応に苦慮している。

  中国建国70年の記念日だった10月1日、1997年に英国から中国に返還された香港では過去最悪レベルの暴力行為が起きた。これを受け、抗議活動に対応する現場の警官らを代表する香港警察隊員佐級協会は、香港政府に思い切った措置を講ずるよう要請した。抗議活動の拡大に伴い、デモ隊と警官の衝突が広範囲に発生。警官の発砲でデモ参加者が負傷するという約4カ月前に始まった抗議活動で初めての事態となっている。

Protesters Mark The 70th Anniversary of People's Republic of China In Hong Kong

デモ参加者を取り押さえる警官(10月1日)

写真家:チャン・ロン・ヘイ/ブルームバーグ

  同協会は声明で、「こうした大規模な一連の暴動に直面したわれわれは、上層部からの適切な措置と支援なしでは単独で仕事をすることはできない」と訴えた。

  1967年に起きた暴動を受け成立した法律では政府による夜間外出禁止令などが認められる。また、1922年に策定された緊急状況規則条例では、治安の確保のために検閲や逮捕、家宅捜索などを含む「あらゆる規則」の制定を行政長官に認めている。

  香港と中国の政府はこうした緊急法を行使する可能性を排除していないが、これまでのところ発動を控えている。中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会は、林鄭行政長官が緊急法を発動したり、戒厳令に向かう措置を講ずるのは事態収拾の誤った方法だと警告している。

  こうした措置は自由を損ない香港経済にさらなる打撃を与えると受け止められるため、市民の怒りは一段と強まる恐れがある。緊急法は半世紀余りにわたり行使されたことはない。香港政府はマスク使用を禁じる法律などの措置も検討している。

People March In Downtown Hong Kong After Demonstrator Shot

「五大要求」を示すデモ参加者(10月2日)

写真家:チャン・ロン・ヘイ/ブルームバーグ

原題:Calls Grow for Hong Kong Curfew, Face Mask Ban as Tensions Rise (抜粋)

(緊急法の詳細などを追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE