【特集】コロナ不況で「もやし」の売り上げ好調 実は栄養豊富 “家計の味方の”知られざる魅力
景気が悪くなるともやしの売り上げが伸びる?
コロナ禍で家庭での「もやし」の消費が伸びています。家計調査によると、今年4月と5月の消費額は去年のおよそ1.3倍。6月以降も好調な売り上げが続いています。第一生命経済研究所の藤代宏一さんによると、景気ともやしの売り上げは反比例していて、景気が悪くなると、人々の節約志向が強まり値段の安いもやしの売り上げが伸びるといいます。実際、2008年のリーマンショックではもやしがよく売れ、コロナ禍の今、再び注目されているのです。しかし、ただ安いだけとあなどるなかれ。最近は、もやし料理を集めたレシピ本に、本格的なもやし料理が簡単に作れる調味料、さらにはもやしが主役の鍋料理のつゆまで登場し、食卓で存在感を増しています。実は疲労回復に効果がある栄養素も豊富。さらに、青森のある町でしか作られていない“幻のもやし”を発見。いま注目が集まる「もやし」の知られざる魅力を解明します。
もやしは栄養満点!実は疲労回復に効果あり!?
そもそも、もやしとは、豆を水にひたして発芽させたもので、大きく3種類にわけられます。日本に流通しているもやしの9割を占めているのが、緑豆からできる「緑豆もやし」。「細もやし」とも呼ばれる黒豆もやしはブラックマッペという小豆の一種から、そして「豆もやし」は大豆からできる品種です。「もやしっ子」などと言われますが、実は栄養価の高い食品。1日に約15万パックのもやしを生産している兵庫県三木市のもやしメーカー大手「サラダコスモ」営業部の岩渕和彦さんによると、 「もやしは、種の段階では無かった栄養分が、発芽することでもやしの中で作られます。あまり栄養はないと思われがちですが、疲労回復に効果があるビタミンCやアスパラギン酸といった成分が含まれています。」(岩渕さん) 事実、野菜100グラムに含まれるアスパラギン酸の含有量は、れんこん680ミリグラム、たけのこ670ミリグラム、アスパラが430ミリグラムなのに対して、豆もやしは890ミリグラムと、豊富に含まれています。(『七訂日本食品標準成分表』より)ちなみに、ビタミンCは水に溶けやすいため、茹でるよりも電子レンジで調理する方が、おすすめ。