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2016年4月28日 放送
家族で楽しめる!
V字回復を実現した感動テーマパークの秘密
- ユー・エス・ジェイ 執行役員 森岡 毅(もりおか つよし)
連日のように新聞や雑誌などのメディアに取り上げられる、いま注目のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン。実は、ここ2年連続で過去最高の入場者数を記録するなど飛ぶ鳥を落とす勢いをみせている。USJと言えば、「ハリー・ポッター」や「ジュラシックパーク」「ジョーズ」など映画コンテンツのアトラクションでお馴染みのテーマパークだが、実は、ここ数年でコンセプトを大きく変えているという。園内を覗いてみると、「きゃりーぱみゅぱみゅ」や「モンスターハンター」など映画以外のアトラクションやイベントが急増、しかも人気を博しているという。なぜ、映画のテーマパークが"映画以外"に舵を切ったのか?そして、倒産の危機さえも囁かれたUSJは、どうやって過去最高の入場客数を記録できるようになったのか?USJのV字回復を実現させた立役者・森岡毅をゲストに招き、年間750万人にまで落ち込んでいた入場者数を、1390万人に復活させた復活劇の秘密に迫る!
社長の金言
- 努力を通り越した先で
アイデアは舞い降りてくるTweet
-
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
奇跡のV字回復を成し遂げた 森岡マジックの全貌
国内の誰もが知っている、人気テーマパーク「USJ」。2015年度の入場者数は1390万人と過去最高を記録。しかし、6年前は750万人と入場者数が落ち込んでいた。このV字回復の立役者が2010年にUSJにやって来た森岡毅だった。森岡は、それまで映画専門で大人向けだったパークに、子供とその親世代の客層を取り込むエリアを新設し、閑散期のハロウィーンイベントを仕掛け若者の集客を伸ばしてみせた。さらに、既存のジェットコースターを逆向きに走らせるという奇抜なアイデアで話題を作り、入場者数を伸ばしていった。そこには、投資を抑え、アイデアで生き残る森岡の戦略があった。そんな森岡が仕掛けた最大の挑戦が総工費450億円を投じた映画「ハリー・ポッター」の世界が楽しめるアトラクションエリア。これによりUSJの人気を不動のものとした。USJを復活に導いた仕掛け人、森岡の独自戦略の全貌に迫る!
自分の「楽しい」が選べる新型テーマパークを目指せ!
USJは「ハリー・ポッター」などの映画の世界が体験できるテーマパークとして知られているが、最近の好調を支えているのは、映画のアトラクションだけではないという。ゲームや漫画のキャラクターのイベントや、歌手「きゃりーぱみゅぱみゅ」など、映画をコンセプトとしないアトラクションに熱狂的なファンが押し寄せている。実際、パーク内を見てみると…スヌーピーやキティちゃん、漫画「ワンピース」のキャラクターなど、まさに「ごった煮」状態のテーマパークで、統一したテーマが感じられない不思議な空間になっている。しかし、このコンセプトがはっきりしない「ごった煮」のようなテーマパークこそ、いまUSJが目指すカタチなのだという。実は、この「ごった煮戦略」の裏に、森岡の計算しつくされた秘策があった。森岡が生み出した既存の概念を打ち破る戦略の全貌を徹底取材した。
失敗を恐れず “挑戦する社員”が 経営を強くする
森岡はマーケティングで市場やユーザーを徹底的に分析・予測する一方で、社員が失敗を恐れず挑戦することを奨励している。その表現の一つとしてUSJでは、挑戦した社員に対して「スイング・ザ・バット賞」をおくっている。この賞は、提案した企画が空振りしたとしても、フルスイングで「挑戦した人」に送られる賞だ。とにかく常識や慣習にとらわれず、「バットを思い切り振る」という環境を共有することで、社員から斬新なアイデアが出され、それが結果的に、お客の感動につながるという。そんなパークの人気を下支えする“挑戦する社員”の現状を追った。
ゲストプロフィール
森岡 毅
- 1972年兵庫県生まれ
- 1996年P&Gに入社
- ヘアケア部門を担当
- ⇒ウエラジャパン副代表などを経験
- 2010年ユー・エス・ジェイ入社
- 2012年チーフ・マーケティング・オフィサー、
- 執行役員、本部長
企業プロフィール
- ユー・エス・ジェイ
- 所在地 : 大阪市此花区桜島2丁目1番33号
- 代表取締役:J. L. ボニエ
- 創業 :1994年12月 ユニバーサル企画
- ⇒現在のユー・エス・ジェイを創業
- 売上高 :1385億円(2015年3月期)
- 従業員数 :約8900人(アルバイト含む)
- 入場料 :おとな7400円 こども4890円
テーマパークに限らず、それまで有効だった自社のコンセプトが陳腐化していることを認めるのは簡単ではない。過去に大成功を収めた時期があればさらにむずかしい。大企業病は、どんな企業にもごく自然に訪れる。「売れる必然を作り出す」森岡さんはそう言う。偶然も、希望的観測も、期待も、成功には寄与しない。アイデアは、湧き出るものではなく、大自然や宇宙のように最初からそこにあり、わたしたちはひたすら考え続けることで、ふいに出会う。他者に夢を与えるためには、自分は徹底して覚めていなければならない。