NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』、テレビ東京『カンブリア宮殿』にも出演、反響を呼んだ奥山清行氏。
イタリア人以外で初めてフェラーリのデザインを手がけ、世界の名車の数々をデザイン、カーデザインの世界を刷新し、アメリカ「ニューズウィーク」誌では『新世紀に活躍する日本人』として紹介されました。
現在は家具やロボット、新幹線、眼鏡、腕時計、テーマパークのデザインも手掛け、工業デザイナーとして国際的に活躍の場を広げ続ける彼の仕事術、本邦初公開のスケッチの数々、そして幸福についてまとめたのが本書です。
本書でも触れてますが、これからはエクスペリエンス・デザインが求められる時代ではないでしょうか。
簡単に言ってしまえば「ものづくり」から「ことづくり」。これには良い先例があります。iPodがその地位を奪うまで30年近く若者の音楽文化を支えたウォークマンです。「もの」としては新鮮味がなくても、「使い道」がまったく新しいこと。それがエクスペリエンス・デザインです。
これからのデザイナーは「もの」をデザインしているだけではダメだと思います。
日本は依然として低迷してますが、ひとりでも多くの人がムーンショットの気持ちを抱き、「夢」を信じ、語るようになれば再び日本のものづくり、ことづくりは光り輝くことになるでしょう。この本がそれにわずかでも寄与できればこの上ない喜びです。
また、この本には僕のスケッチブックから50点程のデザイン・スケッチが紹介されてます。中でもお勧めはフェラーリ・カリフォルニアを開発していた頃のスケッチです・・・懐かしい・・・どうぞ、文章だけでなくスケッチも楽しんでください!
奥山清行
工業デザイナー。1959年、山形県山形市生まれ。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。
米国アートセンター・カレッジ・オブ・デザインを卒業後、ゼネラルモーターズ(米)、ポルシェ(独)のチーフデザイナー、アートセンター・カレッジ・オブ・デザインの工業デザイン部長を経て、ピニンファリーナ(伊)のデザイン・ディレクターに就任。エンツォ・フェラーリ、マセラティ・クアトロポルテなどのカーデザインを担当した。
2006年独立、現在Ken Okuyama Design代表。著書に『フェラーリと鉄瓶』(PHP研究所)、『伝統の逆襲』(祥伝社)、『人生を決めた15分 創造の1/10000』(武田ランダムハウスジャパン)がある。