過労自殺は肥後銀に責任 1億2890万円賠償命令
肥後銀行(熊本市)の男性行員(当時40歳)が2012年にうつ病で自殺したのは長時間労働などが原因だとして、遺族が同行に約1億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、熊本地裁であった。中村心裁判長は「著しい長時間労働を認識し得たにもかかわらず、漫然と従事させ、注意義務を怠った」として、同行に約1億2890万円の支払いを命じた。同行は控訴しない方針。
判決によると、男性行員は担当するシステムの更新作業で業務が急増。うつ病を患い、12年10月に飛び降り自殺した。同年6月以降の残業時間は毎月100時間を超え、自殺前1か月間は209時間だった。
同行は昨年12月、男性行員に違法な時間外労働をさせたとして、労働基準法違反で罰金20万円の略式命令を受けた。訴訟では、過労によりうつ病を発症し、その結果自殺したことを認めていた。
2014年10月18日
Copyright © The Yomiuri Shimbun