ウクライナ新国防相、汚職対策に実績も

ウクライナ新国防相に承認された同国国有財産基金トップのウメロフ氏(ロイター)
ウクライナ新国防相に承認された同国国有財産基金トップのウメロフ氏(ロイター)

ウクライナ最高会議(議会)は6日、同国国有財産基金トップのウメロフ氏を国防相に就任させるゼレンスキー大統領の提案を賛成多数で承認した。これに先立ち、ウクライナメディアが伝えた。

同国国防省を巡っては1月以降、軍の物品納入や徴兵逃れを巡る汚職問題が浮上。ゼレンスキー氏は汚職の解決に実績のあるウメロフ氏を起用し、欧米諸国や国民からの軍への信用回復を図る狙いだとみられる。

ウメロフ氏は最高会議議員などを経て、2022年9月から国有財産基金トップを務めた。ロシアとの捕虜交換交渉にも参加した。ウクライナ南部クリミア半島にルーツを持つクリミア・タタール人で、14年にロシアが併合を一方的に宣言したクリミアの奪還活動に携わってきた。同氏の任命は、クリミア奪還に向けたゼレンスキー氏の意思の表れだとの見方も出ている。

最高会議はこれに先立つ5日、レズニコフ前国防相の辞任を承認していた。レズニコフ氏は21年11月に国防相に就任し、ロシアの侵略が始まると、欧米諸国からの軍事支援の取り付けに尽力した。ただ、一連の汚職問題を受けて事実上、更迭されたとみられている。

ゼレンスキー氏は今月3日、国防省改革のためとして前任のレズニコフ氏を解任し、ウメロフ氏を後任とする方針を発表していた。

会員限定記事会員サービス詳細