イラン 金属ウラン製造に乗り出す 米次期政権に揺さぶりか

イランが、核兵器の材料に使われるおそれがある「金属ウラン」の製造に向けた研究開発に乗り出したことが分かり、アメリカなどからの批判が高まることが予想されます。

イラン政府は今月、中部フォルドゥの核施設で、濃縮度20%のウランの製造を開始したことを明らかにするなど核開発を加速させる姿勢を示しています。

こうした中、IAEA=国際原子力機関は、13日、NHKの取材に対し、イランが中部イスファハンの核施設で「金属ウラン」の製造に向けた研究開発に乗り出し、関連設備を設置したと書面で通知してきたことを明らかにしました。

これについて、ウィーンに駐在するイランのガリブアバディ大使はツイッターで、イランが平和利用だとする首都テヘランにある実験炉の核燃料に使用するためだと説明しています。

しかし、高濃縮ウランを加工して「金属ウラン」を製造した場合、核兵器の材料に使われるおそれがあるため、核合意でも製造や研究開発などは一定期間、禁止されていて、今回の動きは新たな核合意違反にあたるとみられます。

制裁解除を求めるイランとしては、アメリカのバイデン次期政権に、揺さぶりをかける狙いとみられますが、核開発を進める姿勢を強めるイランに対し、アメリカやヨーロッパ各国からの批判が高まることが予想されます。