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大統領の選挙運動に「麻薬マネー」 息子が告白、政権に暗雲―コロンビア

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【図解】コロンビア

【図解】コロンビア

  • コロンビアのペトロ大統領(左)と息子=2014年1月、ボゴタ(AFP時事)

 【サンパウロ時事】7日で就任から1年を迎える南米コロンビアのペトロ大統領に、昨年の大統領選に絡むスキャンダルが浮上した。マネーロンダリング(資金洗浄)などの容疑で逮捕された長男が、選挙運動資金に「麻薬マネー」が含まれていたと語ったためだ。元左翼ゲリラで、同国初の左派大統領として期待を集めたペトロ氏だが、政権運営の先行きに暗雲が広がっている。

ペトロ大統領の息子逮捕 麻薬絡みの資金洗浄捜査で―コロンビア

 「この国の大統領は、選挙に勝つために息子や娘らに犯罪を頼んだことはない」。ペトロ氏は3日の演説で不正への関与を否定し、2026年の任期満了まで務めることに強い意欲を示した。

 報道によると、検察の担当者はこれに先立ち、ペトロ氏の長男が取り調べに対し、麻薬密売に関与する人物ら2人から裏金を受け取り「一部が選挙運動に使われた」と供述したと公表した。受け取った総額は約10億ペソ(約3500万円)に上り、その資金が紛れ込んだ選挙費用も法定上限を超えていたとみられる。

 コロンビアは世界最大のコカイン生産国で、麻薬組織の首領として知られた故パブロ・エスコバルがかつて暗躍した。歴代の右派政権は麻薬組織に強硬に対処したが、ペトロ政権は融和姿勢に転じた。裏金は、麻薬組織が政権に取り入る狙いだったとされる。

 この問題を巡り、議会は暫定調査に着手した。ペトロ氏の連立政権からは離脱する政党が相次ぎ、課題の医療・年金改革も進んでいない。調査の結果次第では大統領弾劾につながり、政局が流動化するリスクをはらんでいる。

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