ひとり親支援のNPO、使途不明金800万円 会計担当の元職員解雇

高橋健次郎
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 ひとり親を支援する認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」(赤石千衣子理事長)は2日、2019年度からの4年間で計802万7603円の使途不明金が生じていると発表した。同法人は「会計担当だった女性職員の不正の可能性が濃厚」と指摘。先月末に女性職員を懲戒解雇し、業務上横領罪での刑事告訴の手続きを進めている。

 同法人によると、今年5月、決算の過程で現金の残高不足を確認。その後の調査で、銀行口座に振り込まれた寄付が引き出されている一方、帳簿には未記載だったことなどが分かった。不明金の全容は調査中で、今後増えるおそれもあるという。

 確認できた不明金については全額、理事長らが補塡(ほてん)した。事業への影響はなかったという。同法人は理事長らを減給処分にしたうえで、第三者調査委員会を発足。来年1月までに事実確認や再発防止策のとりまとめを行う。

 女性職員は、事業拡大によって人員を増やした22年5月まで、1人で会計を担当。残高不足について指摘すると、連絡が途絶えた。同法人の弁護士を通じて連絡をとったところ、不正への関与を否定したという。

 同法人は1980年に任意団体として発足。ひとり親家庭への食料支援や、ひとり親の就労サポートなどを実施。行政の事業も複数受託している。高橋健次郎

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