昨季7勝を挙げ、左肘のトミー・ジョン手術(側副靱帯再建術)から復活を果たした広島・床田寛樹投手(25)がマツダスタジアムで取材に応じ、昨年自身と同じ手術を受けた高卒4年目の左腕、高橋昂也投手(21)の復帰を喜んだ。
「痛みもなく投げられたことが一番いい。あわてずに、段階を踏んでいってほしい。一緒に頑張っていきたい」
高橋昂は5日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(由宇)で5-3の九回に登板し、打者4人を1安打2奪三振無失点で1年半ぶりの実戦復帰でセーブを記録。自己最速の152キロには及ばなかったものの、143キロを計測するなど回復をアピールした。
1軍復帰へ突き進む有望株は2017年に花咲徳栄高からドラフト2位で入団した。2年目の18年には開幕ローテーションに入り6月28日の巨人戦(マツダ)で菅野との投げ合いを制し、プロ初勝利をマーク。ヤクルト・寺島(履正社)、中日・藤嶋(東邦)、楽天・藤平(横浜)の高校BIG4でいち早く輝きを放ったが、左肘を痛め、19年2月に群馬県内の病院で「左肘関節内側側副靱帯(じんたい)再建術」と「尺骨神経剥離術」を受けた。
床田も入団1年目の17年7月にトミー・ジョン手術を受けた。リハビリ中は同じ手術の経験がある元広島・江草仁貴氏(17年引退、現大阪電気通信大の硬式野球部コーチ)に相談相手になってもらった。頼れる先輩の存在が大きかったからこそ、自身が2軍再調整中の8月には高橋昂に自身の経験を伝えた。
「僕の場合はキャッチボールの前と終わりが痛かった。昂也も(その痛みが)あると。やっぱり無理はだめ。僕も無理をしていた」
現在チームは下位に低迷しているが、ドラフト1位の森下(明大)を筆頭に、遠藤、塹江ら若手の台頭が目立つ。来季、高橋昂が1軍に戻ってくることができれば、左右のバランスが取れた楽しみな先発ローテーションになる。(柏村翔)