亀岡球技場に20億円 京都府予算案、17年度着工へ
京都府は、亀岡市での球技専用スタジアム建設に向け、2017年度一般会計当初予算案に、本体工事費6億2千万円と、市と共同で用地取得する費用13億7千万円など計19億9500万円を盛り込んだ。
国天然記念物アユモドキの保護策を協議する環境保全専門家会議や、公共事業評価第三者委員会が、条件付きで環境調査や事業実施を了承したことを受け、計上した。19年度までの工事費の枠を確保する125億2千万円分の債務負担行為も組んだ。
スタジアム計画では昨年8月、専門家会議の提言を府と市が受け入れ、予定地をJR亀岡駅北側の約3・2ヘクタールに変更した。亀岡市が既に旧予定地を買収していたため、新たに用地取得が必要となった。
これまで府がスタジアム本体の建設工事を、亀岡市が用地取得を担う形で役割分担してきたが、市は新予定地の取得費34億円について最大20億円しか支出できないとして、15億円の財政支援を府に要請していた。
府スポーツ施設整備課は用地取得に乗り出す理由を「亀岡市は旧予定地を取得しており、やるべきことをやった。希少種保存という点で、府にも用地を取得するメリットはある」と説明する。府の負担額については「旧予定地に必要だった地下水貯留施設などが不要になって、工事費が20億円以上削減できた。亀岡市から支援要望がある中で府として用地取得費に出せる額を算出した」と話す。
府は3月末までに実施設計を完成させる方針。17年度内の工事着手を目指しており、当初予算案の工事費6億2千万円は基礎構造物の建設が中心だ。だが、専門家会議が、再度の了承が着工の条件とし、山田啓二知事も「着工に関してゴーが出たとは思っていない」と再び会議の判断をあおぐ考えを示しており、着工時期は流動的だ。
亀岡市も17年度当初予算案に用地取得費を計上する方針。桂川孝裕市長は京都新聞の取材に対し、おおむね要請通りとの認識を示し「財政が厳しい中、精査して出された額だろう。最大限努力していただいたと思う」と評価した。
【 2017年02月08日 15時10分 】