東大、森口氏を懲戒解雇 移植5件を虚偽と認定
東京大病院特任研究員の森口尚史氏(48)がiPS細胞の臨床研究をしたと虚偽の発表をした問題で、東京大は19日、森口氏を同日付で懲戒解雇した。森口氏が当初6回実施したとしていたiPS細胞の移植手術のうち、少なくとも5回について虚偽と認定した。残る1回については今後も調査を継続する。
東京大は同日午前、森口氏を呼び出して、辞令を直接交付した。本人から辞表は出ていなかったという。
磯田文雄・東京大理事は「本学の教職員としてあるまじき行為を本学の構成員が行ったことは誠に遺憾。調査を継続し、できる限り速やかに事実を明らかにする」とのコメントを発表した。
森口氏は東京大に対し、iPS細胞の移植手術を1回実施したと主張している。東京大は引き続き本人から事情を聴くとともに、森口氏の過去の論文の中身や森口氏に関わる研究費の状況などについても、問題がなかったかを調べ、結果を公表する方針だ。