ミルクといえば、言わずと知れた牛乳のこと。また最近ではソイミルク、いわゆる豆乳をミルクがわりに愛飲している人も多い。
だが実はさらにもう1つ、ミルクの選択肢があるのをご存じだろうか? ライスミルク、つまりお米のミルクだ。

欧米では比較的ポピュラーなライスミルクだが、なぜか日本ではほとんど知られていない。しかし、お米の国・日本では、良質なライスミルクを作る素地がある。牛乳や大豆にアレルギーを持つ人の代替食品にもなるし、お米の新しい楽しみ方として今後注目を集めそうな気配だ。

すでに日本生まれのライスミルクもある。その1つが山梨県の白州屋まめ吉株式会社が、2013年6月が販売しているお米のドリンク、その名も『ライスオーラ』である。


原料はなんとお米だけ。同社のある山梨県北杜市が誇る特Aブランド米「梨北米(りほくまい)」に酵素を加えて糖化させ、お米に含まれる甘味を引き出したものだ。実際に飲んでみると、少しとろりとした口当たりで、甘酒のような優しい甘み。お米なのでヘンなクセもなく、自然な甘さがしみじみ美味しい。まさにお米のジュースだ!

同社の担当者に話を聞くと、何か山梨県発の地産地消商品を作りたいと考えたとき、地元のお米、梨北米が思い浮かんだのだという。
「米粉から作っていますが、米粉に温度をかけると、だんだんお餅になります。
そのお餅を液化させるのが難しく、苦労しました」
そのまま飲んでも美味しいが、ほかにもいろいろな楽しみ方ができる。
「辛口の日本酒に割って飲んでいただいてもいいし、甘いので砂糖の代わりの甘味料としてお使いいただけます。また、お米なのでアスリートの方の栄養補給などにも適しています」
また、日本酒のみならず、焼酎やソーダ割りも美味。デザートやスイーツ材料にもなるし、料理の隠し味や乳児の離乳食などにも応用できる。牛乳や豆乳の代替としても幅広く使えそうだ。

商品は同社のオンラインショップ、また山梨県内にある道の駅はくしゅう、中央道八ヶ岳PA(上下)、 双葉SA(下り)にて販売中。
オープン価格だが、実売価格は1つ(520グラム)500円程度とのこと。お客さんからの反響も上々で、「本当にお砂糖使っていないの?」「甘酒みたいな感じだね」などお米の持つ甘味の強さに驚く人が多数。「美味しい。でも、お米のジュースと言われてもピンとこないね」という声もあるそうだが、まさに新感覚の味わいだ。

お米本来の自然な甘味と良質な米の風味を手軽に味わえるお米のドリンク『ライスオーラ』。見かけたらぜひ味わってみては。

(古屋江美子)