カタール・ワールドカップはグループDの最終節が行われ、オーストラリア対デンマーク、チュニジア対フランスが行われた。
第2節終了時点で、連勝のフランスが勝ち点6で首位。1勝1敗のオーストラリアが2位(勝ち点3)で続き、デンマークとチュニジアが同1で争うこととなったグループD。すでにフランスが突破を決めた中、3チームが最終節でもう1枠を争うこととなった。
優位な状況に立つも引き分けでは敗退の可能性があるオーストラリアでは、前節決勝弾のデュークやソウターら主力陣が軒並み先発入り。一方で勝利が絶対条件のデンマークでも、エリクセンやシュマイケルらに加え、最前線にはブライトバイテが入っている。序盤から互いにチャンスを作る中、主導権を握ったのはデンマーク。ボールを回しながら両サイドを効果的に使い、10分にはリンドストロムがチャンスを迎え、その直後にはイェンセンがシュートを放ったがGKライアンのファインセーブに阻まれる。さらにスコフ・オルセン、メーレらが決定機を作ったが、ゴールまでは至らず。前半はスコアレスで折り返す。
後半頭から両者1枚ずつカードを切った中、序盤は劣勢だったオーストラリアがハイプレスから攻勢。しかし次第にデンマークが再びボールを握り始め、オーストラリアの攻撃を許さない時間が続く。59分にはドルベリとダムズゴーを投入し、勝負に出る。
しかし、先にゴールを奪ったのはオーストラリアだった。60分、自陣ボックスからカウンターを発動。抜け出したレッキーがDFをかわし、シュートを突き刺した。見事な速攻で、大きな先制点を手にする。
苦しくなったデンマークは70分、PK獲得かと思われたが直前のオフサイドで無効に。ボールは握るも、オーストラリアの堅守を崩せない。試合はこのまま終了し、オーストラリアが1-0で勝利している。
すでに突破が決まっているフランスは、最終節でエンバペやグリーズマンら主力を温存。前節からチュアメニとヴァラン以外の選手を入れ替えて臨んだ。一方逆転突破のために勝利が必須のチュニジアは、ハズリがトップに入っている。開始直後はチュニジアが積極的に仕掛け、人数をかけて相手ボックス付近に迫っていく。すると8分、ハズリのFKにガンデリが巧みに合わせてネットを揺らす。しかし、ここはオフサイドの判定に。先制とはならなかったが、主導権を握って王者を攻め立てる。35分にもハズリの強烈なミドルが枠をとらえ、スタンドも味方につけながらチャンスを量産。ゴールこそ奪えなかったが、良い流れを掴んで前半を折り返す。
後半序盤もチュニジアが良い入りを見せる中、52分には相手ボックス内で奪ったライドゥニが決定的なシュート。すると58分、ついにフランス守備陣をこじ開ける。センターサークル付近でボールを奪って速攻を発動。ハズリがドリブルで強引に中央を突破し、シュートを流し込んだ。長年チームを支えてきたベテランアタッカーのゴールで、待望の先制点を手にする。
フランスはたまらずエンバペやラビオ、サリバを投入。72分にはグリーズマン、78分にデンベレを投入し、状況の打開を図る。しかし必死に守るチュニジアを崩せない時間が続く。後半アディショナルタイムにグリーズマンがネットを揺らしたものの、VARレビューの結果オフサイドに。試合は0-1でチュニジアが勝利している。
この結果、フランスは敗れるも勝ち点6(得失点差+3)で首位での決勝トーナメント進出が決定。一方オーストラリアは勝ち点で並んだものの、得失点差(-1)の関係で2位通過に。それでも2006年大会以来、4大会ぶり2度目のラウンド16進出となった。
■グループD最終順位(勝ち点:得失点差)
1位:フランス(6:+3)☆決勝T進出
2位:オーストラリア(6:-1)☆決勝T進出
3位:チュニジア(4:+0)
4位:デンマーク(1:-2)