2015.07.30

【沿線革命053】
もう遅延はゴメンだ
「線路に人立入」と「ダイヤの乱れ」はこうして防げる

阿部 等

まずは非常停止ボタンを適正に

以前よりホーム上の駅係員が減り、ホーム上で急病人が発生した場合でも非常停止ボタンが押されるケースがある。列車を止める必要は全くなく、不要にダイヤを乱してしまう。

ホーム上に、非常停止ボタンと別に駅係員や指令センターと会話できるモニタを設置している鉄道事業者もある。全事業者とも、緊急に列車停止すべきケースと、鉄道従事員と連絡を取る必要があるケースの両方へ対応できる設備とし、利用者へそのことを周知すべきだろう。

列車内においても、急病人が発生した場合は、非常ボタンを押して駅間で止まると救護がかえって遅れてしまう。

非常停止ボタンと並べて「急病人発生」というボタンを設置し、次の停車駅での当該車両への駅係員急行と救急車手配をできるようにしたらどうだろう。場合によっては通過駅への緊急停車も手配する。それにより、列車の遅れを最小化しつつ、急病人への最善の対処ができる。

さる6月30日の東海道新幹線での焼身自殺事件にて、車内の非常ボタンが押された際、運転士は火災か他の異常なのか判別できなかったはずだ。トンネル内で止まっていたら、大変なことになっていた。その点では、「火災」というボタンも欲しい。

以上に関して、事業者によって設備や対応がバラバラであるより統一した方が、利用者にとっても分かりやすい。国交省鉄道局が音頭を取り、全鉄道事業者共通のルールと設備を定め、それを国民に周知することを提案する。

各事業者が個別に対応するより、ホームや車内のボタンの意味を効率的に社会に周知徹底でき、鉄道の安全・安心を高められる。小中学校の社会科や総合的学習の時間に、子供達へ教え込むのも手だろう。大学の生協や食堂にも大きなポスターを張りたい。

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