緒方元長官ら有罪確定へ 朝鮮総連本部詐欺
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物などをだまし取ったとして詐欺罪に問われた元公安調査庁長官、緒方重威被告(79)について、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は20日までに、被告側の上告を棄却する決定をした。懲役2年10月、執行猶予5年とした一、二審判決が確定する。
共犯として同罪に問われた元不動産会社社長、満井忠男被告(80)の上告も退け、懲役3年、執行猶予5年が確定する。決定はいずれも19日付。
一、二審判決によると、緒方元長官らは2007年4月、総連に対して購入資金があるかのように装って中央本部の土地・建物の所有権を緒方元長官の会社に移転登記させ、取引に必要な経費名目で約4億8000万円をだまし取った。
その後、不動産登記は抹消され、中央本部は12年7月、整理回収機構に競売にかけられた。2回の入札を経て今年3月、不動産投資業、マルナカホールディングス(高松市)が22億1千万円で落札。東京高裁は総連側の執行抗告を退け、総連側は最高裁に特別抗告している。