発売間近『星のカービィ64』に迫る! カービィの所属プロダクション(!?)HAL研究所に迫る! 読者プレゼント!!
人気キャラ・カービィの魅力に迫る!

カービィの生みの親・桜井政博さん(HAL研究所)突撃インタビュー
 齋藤さんに続いて、当ホームページ“スマブラ拳”でも有名なディレクター・桜井政博さんが登場!じつは、桜井さんはカービィの生みの親でもあるんです。コレは話を聞くっきゃないでしょ!

−− カービィ誕生秘話みたいなエピソードを語っていただけますか?

桜井さん桜井 えー、ゲームボーイ用新作のプレゼンのために、デモ版を作ることになったんですね。ソレ用に描き起こしたキャラなんです。コレが好評で、製品版でもこのキャラのままでいこうってことになりまして。ほとんどそのままの起用となりましたね。ドット絵でも2〜3ドットぐらいしか変わってないくらいです(笑)。そうそう、ファミコン版『星のカービィ 夢の泉の物語』以降、カービィのほっぺたにチョンチョンって線が入っているんですが、アレを描いたのは私じゃありません。1作目であるゲームボーイ版のパッケージでは、カービィのほっぺたにそんな線はないんですよ。
 開発当時はポポポって名前だったんですよ。カービィって名前は、吸い込むだけに掃除機のブランドネームに由来しているとか、任天堂の顧問弁護士の名前だとか(実在しますが、カービィの名前の由来かどうかは定かではありません リコ編注)、諸説ありますが実際どーなんでしょう?
 あと、カービィの色をピンクに決めたのも私です。任天堂の宮本茂さんは黄色をイメージしていたらしいんですけどね。そういえば、海外版の1作目のパッケージに描かれているカービィは白いんです。ゲームボーイだったので、日本から情報を流さない限り、色はわからなかったんでしょうね。その後、ファミコン版を見てピンクだと悟ったらしく、2作目のパッケージは白とピンクの中間をとったような色になってるんですよ(笑)。

−− 桜井さんが開発に携わったカービィシリーズのお話を聞かせてください。

桜井さん桜井 まずは1作目の『星のカービィ』。開発当時は『ティンクルポポ』って名前だったんですけどね。コレの開発コンセプトは“初心者用のゲームを作る”でした。というのも、ファミコン時代のアクションゲームは難しいモノが多く、ゲームをはじめて触るようなひとが門前払いされてしまうような状況だったからです。そこで、すぐにミスにならないバイタリティ制を導入し、だれにでもクリアできるゲームに仕立てました。ゲームを知っているひとなら、1時間で終わってしまったでしょうね。
 次に、ファミコン版『星のカービィ 夢の泉の物語』。この作品で目指したのは、初心者と上級者のすみわけでした。単に、イージモードやハードモードの設定で難しさを変えるのではなく、なにかほかの方法を考えたんです。そこで、現在ではカービィの特徴となっている“コピー能力”をはじめて登場させました。コレによって、初心者は強い攻撃力のある吸い込みと吐き出しのみで遊んでもらって、上級者には頭を使って能力を活用してもらって……というようなすみわけができたと思います。
 そして、スーパーファミコンの『星のカービィ スーパーデラックス』。コレは宮本さんから『ふたり同時プレイができる横スクロールのアクションゲームを作ってみてほしい』という課題が出されたんですよね。宮本さんということで思い浮かぶのはマリオなんですけど、たとえばノコノコの甲羅をけとばすとすごいスピードで飛んでいくでしょう、それにスクロールがついていけないというような問題があり、マリオではムリだってことになったんですよ。

−− 『星のカービィ64』はご覧になりましたか?

桜井 じつはプレイしてないんです。というか、見ないようにしてるんです。無責任に「こうしたほうがいいんじゃない」とか言うと、現場が混乱しますから。『カービィのピンボール』『星のカービィ2』などのときも、おなじようなスタンスをとっていましたが、今後もそうするのかどうかは分かりません。

−− 今後、カービィシリーズを手がけるご予定は?

桜井さんとリコ編桜井 新作は手がけてみたいですね。ニンテンドウ64用なら、3Dスティックを活かしたらどんな作品になるのか、どこまでできるのかを追求してみたい。ゲームボーイ用なら、よりシンプルな路線を追求したいですね。『星のカービィ 夢の泉の物語』には、ボタンをひとつしか使わないサブゲームが入ってるんですけど、それくらいシンプルでありたいと思ってます。次回作を私が作るのかどうかはわかりませんが、もしそうなったら期待してください。

−− 最後に、カービィについてなにかありますか?

桜井 カービィシリーズって、子ども向けっていうパブリックイメージがあるような気がしますが、じつは子ども向きだなんてアピールは、私はぜんぜんしてないんですよ。あくまでも“初心者向け”なんです。だから、難しいところもあるし、スピード感だってあります。遊び方を自分でいろいろ工夫できるゲームなんですね。ただ、そのよさに誰よりも早く気づいたのが子どもで、それで子どもに人気があるのかもしれませんね。


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