米が対ロ追加制裁、北極圏LNG開発の関連企業も対象 日本勢が参画

米が対ロ追加制裁、北極圏LNG開発の関連企業も対象 日本勢が参画
米政府が14日発表した対ロシア追加制裁に、北極圏の液化天然ガス(LNG)プロジェクト「アークティック2」に関わる同国企業が新たに含まれた。同プロジェクトには日本企業も出資しており、影響が及ぶ可能性がある。写真は建設中のアークティック2の建造物。2022年7月、ムルマンスク州で撮影(2023年 ロイター)
[16日 ロイター] - 米政府が14日発表した対ロシア追加制裁に、北極圏の液化天然ガス(LNG)プロジェクト「アークティック2」に関わる同国企業が新たに含まれた。同プロジェクトには日本企業も出資しており、影響が及ぶ可能性がある。
追加制裁対象は計150以上の個人や企業で、ロシア軍艦艇の整備を請け負う企業や自動車メーカー、軍民両用品の対ロ輸入を支援するトルコ企業5社などが含まれる。
将来的にロシアにエネルギー収入をもたらすとして、北極海のLNGプロジェクト「アークティック2」の建設やLNG運搬などに関わる企業も制裁対象に列挙した。
アークティック2は日本の三井物産(8031.T), opens new tabや独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が権益を持ち、最終的に年間200万トンの供給を受ける見込み。米政府の制裁は出資者を対象にしていないが、日本政府関係者は「影響が出るかもしれない」と話す。出荷開始時期も遅れる可能性があるとみている。
プロジェクトを主導するロシアの天然ガス大手ノバテックは、年内に出荷を始めることを計画していた。
三井物産はロイターの問い合わせに対し、「新たな米国追加制裁対象が発表されたことは認識している。制裁措置の順守を前提として、日本政府などの関係者と連携しながら対応していく」と回答した。
JOGMECのコメントは現時点で得られていない。
ロシア政府はかねてから西側諸国の制裁を違法だとし、世界市場におけるロシアの競争力を低下させるためのものだと批判している。
(編集:久保信博)

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