「体調を崩す者も出てきて、学生たちの間では“感染者が出たのに隠蔽されているのではないか”というようなことも囁かれる状況が生まれた。4月中旬に学校長が放送で『現段階で感染者はいない』とわざわざ呼びかけたといいます。実際、体調不良を訴えた学生40人以上がPCR検査を受ける事態を招いた」
LINEで「今から飛び降りる」
防衛大関係者が続ける。
「ストレスを苦にしてか、学内では自殺未遂行為も相次ぎました。首吊り、リストカット、飛び降り2件という少なくとも4件が確認されているのです」
前出の元学生は、そのうちの1件について、「飛び降りた学生には前兆のようなものが全くなく、突然の行動だったと聞いています」と証言する。
「その学生は、同期生たちと一緒にPX(売店)に行ったのですが、学生舎に戻ってきたら姿が見えなくなっていたというのです。“あれ、どうした?”と同期生たちが騒ぎ始めたところで、本人から『今から飛び降る』というLINEがきて、食堂脇の建物の2階から飛び降りたのだと聞きました」
学生に対しては、各中隊の指導官が約2週間に1度、説明会を行ない、そこで自殺未遂があったことなどが告げられたというが、不安はどんどん募っていった。現役学生の一人がこう明かす。
「基本的に『家族を含め、部外へ機密を口外してはならない』とアナウンスされていて、誰にも内情は伝えられない。学生たちのSNSの利用状況などをチェックする学内組織のネットワーク委員会も、いつもより厳しく学生たちのSNSを監視している状況です」