「ミニブログ」

第2回 | 2007年5月21日

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

「一言コメント」の書き込みに特化した「ミニブログ」が流行している。米国のサービス『Twitter』(トゥイッター)が人気を得たことから、類似のサービスが続々と登場した。日常の何気ない一言を発信・閲覧できる“ゆるさ”が人気の秘密だ。今後、ブログやSNSに次ぐ流行になる可能性もある。

ミニブログの最大の特徴は、短文の投稿に特化していること。「今、何をしているの?」という問いに答える形で、日常の何気ない一言を発信する。書き込める文字数も少なめに設定してある(Twitterでは140文字以内)。利用者の多くは「今起きたとこ」、「洗濯物取り込んだ」、「電車遅れてるよ〜」、「面白いソフトをインストールした」などの、何気ないコメントを記入している。

ミニブログにはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)としての機能もある。つまり利用者は、知人のコメントをまとめて読めるのだ。例えばお昼時にサイトを眺めると、ある知人は「仕事が忙しいから昼食抜きだな」と、また別の知人は「速くご飯食べて子供を迎えに行かなきゃ」とコメントしている。知人同士(あるいは利用者全体)で同じ時間を共有しているような感覚がある。

代表格は『Twitter』、“ゆるさ”と開放性が人気の元

ミニブログの代表格は、昨年10月に米国で始まったサービスTwitterだ。アクセス調査サイト『Alexa』(アレクサ)の統計によれば、最近3カ月のアクセス者数の伸びは532%にものぼる。日本でも、先進的ブロガーが次々とハマったことから、Twitterの人気に火が点いた。現在、Twitterへのアクセスのうち16%が日本からのものだ(米国に次ぐ2位)。

Twitterの魅力は“ゆるい”コミュニケーションにある。発信者は何気ない短文を言いっぱなしにすればいい。閲覧者はそのコメントを放置してかまわない。従来的なコミュニケーション・ツール(ブログ、SNS、さらには若者の携帯電話メールなど)の場合、「投稿や返事が義務化したため負担に感じる」人もいる(関連記事)。

一方、先進的なネット利用者の中には、Twitterの持つ「開放性」を評価する人も多い。例えば、携帯電話やIM(インスタント・メッセンジャー)からメッセージを発信することや閲覧することが可能。またコメントをRSSでも配信できるため、これをRSSリーダーで読むことも可能だ。他のブログサイトでコメントを表示するための部品(ブログパーツ)も用意している。

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