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【国際】

シシ議長 立候補へ エジプト大統領選 軍評議会が承認

 【カイロ=今村実】エジプトの軍最高評議会は二十七日、三〜四月にも実施されるとみられる大統領選で、国防相を兼務するシシ議長の立候補を承認した。国営メディアなどが伝えた。議長の出馬が決まり、民主化運動「アラブの春」で三年前に倒れた旧ムバラク政権と同様に、軍を基盤とする本格政権が復活する可能性が、濃厚となった。

 政情の安定化を求める国民の間で、昨年七月に事実上のクーデターを主導したシシ議長の人気は高い。ほかに有力候補はおらず、当選は確実な情勢だ。議長は軍を退き、近く正式に出馬を表明するとみられる。

 マンスール暫定大統領は二十六日、本格政権に向けた行程表を変更し、議会選より大統領選を先に実施すると発表した。また、軍評議会によるシシ議長の出馬承認に先立ち、大統領令で二十七日、議長を陸軍元帥に昇任させた。出馬に向けた環境整備とみられる。

 シシ議長は今月十一日、「民衆の要請と軍の負託」を条件として、出馬の意向を強く示唆していた。

 中旬に実施された国民投票で憲法改正が承認されたほか、二十五日の「革命記念日」には、カイロ中心部で出馬を支持する数千人が集会を開いた。さらに「二千五百万人分の署名を集めた」と主張する市民団体が近く、シシ議長に直接、出馬を促す見通しだ。

 議長はこうした「民衆の要請」と軍評議会の決定を受ける形で出馬し、国内外のクーデター批判をかわす狙いとみられる。

 政変で倒れたモルシ前政権を支えたイスラム組織ムスリム同胞団の強い反発は確実だ。

 シシ議長は二〇一二年八月に就任。軍を長年牛耳ってきたタンタウィ議長を、モルシ大統領(いずれも当時)が解任後、若手世代から抜てきされた。

 

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