開催都市にも補欠ってあるんでしょうか?
英国の新聞、ロンドン・イヴニング・スタンダードから、ちょっと衝撃の報道です。2016年の五輪開催予定地となっているリオデジャネイロの準備が予定通り進んでいないので、代わりに再度ロンドンで開催できないか、ひそかに打診されているというのです。
国際五輪委員会(IOC)はその報道をすでに否定していますが、IOC副会長はリオデジャネイロの準備状況が「今まで見た中で最悪」とも言っていて、楽観視はできないようです。
この報道の情報源は匿名なので、話半分、いや10分の1くらいで聞いた方がいいのかもしれません。英国Gizmodoでは、ロンドン・イヴニング・スタンダードがカマをかけただけだと見ています。とはいえ、五輪(または都市開発)というビジネスのあり方がうかがえる、興味深い話ではあります。
4月29日にシドニーで行われた五輪フォーラムで、IOCのJohn Coates副会長はリオデジャネイロに関する懸念を次のように噴出させました。
我々は非常に心配しています。いろいろな面で準備ができていません。さらにリオデジャネイロには社会問題もいくつかあり、またブラジルではFIFAワールドカップも目前に控えています。今の状況は(五輪開催前の)アテネ以下だと思います。
官僚主義がはびこり、国と州、そして建築物の多くを進めている市の組織の連携はとれていません。
(準備状況は)過去最悪です。
たしかに、リオデジャネイロの状況はいろいろと深刻です。たとえば水上スポーツ会場の汚染ぶりはショッキングだし、五輪会場となる建築物は予定されている52件のうちまだ4件しか完成していません。加えてワールドカップ期間中に警察がストライキを起こすかもしれないという話もあります。豪華なスポーツ施設への投資に対し、ブラジルの庶民からは反発が続いているんです。
でも、だからって他の都市が「補欠」みたいに代役を務めることがありえるのでしょうか? 実は前例があり、しかもそのときもロンドンが代理になったことがあるんです。それは1908年の五輪。当初はイタリアのローマで開催予定でしたが、1906年にヴェスヴィオ山が噴火して会場予定地にも被害が及んだため、ロンドンに急遽変更されたんです。
でも今のところ、IOCが2016年の開催地をロンドンに移す可能性は低いでしょう。振り返れば、この冬のソチ五輪に関してもその準備不足ぶりがメディアでさんざんこき下ろされましたが、実際は無事開催できました。南米初の夏季五輪開催地として、リオデジャネイロもがんばってほしいです。
source: Washington Post, Evening Standard, Wall Street Journal
Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文]
(miho)