東京・調布小型機墜落

事故機異音発しながら上昇 エンジントラブル? 整備ミスの可能性も 専門家指摘

 飛行場を離陸したばかりの小型機はなぜ、墜落したのか。目撃者らによると、小型機は離陸直後、異音を発しながら上昇し、ふらつきながら墜落していったという。専門家からはエンジントラブルや操縦系統の整備ミスなどの可能性を指摘する見方が出ている。

 目撃者の映像を分析した航空評論家の秀(ひで)島(しま)一(いっ)生(せい)氏が注目するのはエンジンの音だ。秀島氏は「離陸後、エンジン出力が増すべきところで音が大きくならずに消えているように聞こえる。上昇中に何らかの原因でエンジンが止まった可能性が高い」と指摘する。

 小型機は飛行場近くの住宅街に墜落し、裏返ったような状態で見つかった。秀島氏は「住宅を避ける間もなく突っ込んだとみられる」とした上で、「たとえエンジンが止まったとしても、操縦ができた状態であればもう少し飛べたはず」と分析。エンジン以外にもトラブルが起きた可能性に言及する。

 「離陸しているということは、それまでエンジンに異常がなかったということ。操縦系統が整備不良だったのではないか」とみるのは航空安全コンサルタントの佐久間秀武氏だ。

 佐久間氏が指摘するのは、大阪・八尾空港で平成10年に起きた墜落事故との類似性だ。この事故も離陸後間もない墜落。運輸安全委員会の報告書によると、整備ミスで操縦系統と補助翼をつなぐケーブルが逆につながり、操縦桿(かん)と小型機の動作が逆になったことが原因だった。

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