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AFC 各地区の展望

NFLジャパン提供

AFC東地区

 昨シーズンはニューイングランド・ペイトリオッツが、10勝6敗で地区優勝を果たした。ニック・セイバンの初年度となったマイアミ・ドルフィンズは、5連勝でシーズンを終え、今シーズンへの期待を膨らませる。その期待通り、2006シーズンはペイトリオッツとジェッツが優勝争いを繰り広げることが予想される。ニューヨーク・ジェッツとバッファロー・ビルズは、それぞれ35歳とリーグで最も若いエリック・マンジーニ、3年ぶりにNFLのヘッドコーチに返り咲いたディック・ジャローンをヘッドコーチに迎え、チームの再建を図る。

 ペイトリオッツは長年チームを支えたLBウィリー・マッギネスト、チームの2度のスーパーボウルで決勝FGを蹴ったKアダム・ビナティエリという主力選手がチームを去った。しかし、QBトム・ブレイディとヘッドコーチ、ビル・ベリチックのコンビは今シーズンもこの地区の本命といえる。昨シーズンは不調に終わったRBコーリー・ディロンの復活とWRディオン・ブランチのホールドアウトの影響が、どこまで勝ち進むかの鍵を握る。

 ドルフィンズは、新QBに、ミネソタ・バイキングスからダンテ・カルペッパーを獲得。だが、カルペッパーの昨シーズン途中に患った膝の負傷の回復具合が気になるところ。また、成長著しい2年目のRBロニー・ブラウンが、禁止薬物の使用により今シーズン出場停止のリッキー・ウィリアムスの穴を埋められるか期待される。

 ビルズはWRエリック・モールズ、DTサム・アダムス、Sロイヤー・ミロイら多くのベテランがチームを去り、若手を中心にして再建を始める。新ヘッドコーチのジャローンは、3年目のJP・ロスマンを先発QBに指名。チームの命運を託す。WRには、ピアレス・プライスが4年ぶりにチームに戻った。

 Cケビン・マワーイ、CBタイ・ロー、DEジョン・エイブラハムらがチームを離れたジェッツも、再建期に突入した感がある。今シーズンの出場が疑問視されるRBカーティス・マーティンの代役には、49ersからケビン・バーローを急きょ獲得。その再建はドラフト1位で獲得したLTデブリッカショー・ファーガソンとCニック・マンゴールドを中心にOLから着手した。過去数シーズンは負傷に悩まされ続けたQBチャド・ペニントンがケガなくシーズンを乗り切れるかが鍵となる。35歳の新ヘッドコーチ、エリック・マンジーニの手腕に期待が集まる。

AFC北地区

 昨シーズンはこの地区から11勝5敗でワイルドカードチームとしてプレイオフに出場したピッツバーグ・スティーラーズが、史上初めて第6シードからアウェイでの戦いに3連勝、そのままスーパーボウルを制覇した。地区優勝は、同じく11勝5敗のシンシナティ・ベンガルズが果たした。今シーズンもスティーラーズを中心とした展開が予想されるが、昨シーズンは下位に甘んじたボルティモア・レイブンズ、クリーブランド・ブラウンズもチーム力を上げており、熾烈な争いが予想される。

 スティーラーズは昨シーズンのスターターのうち、オフェンスとディフェンス合わせて3人しか失っておらず、また、コーチ陣にも3年連続で変更はないなど、連覇に向けて万全の体制を整える。しかし、RBジェローム・ベティスの引退で強力なリーダーを失った穴を埋められるかは大きな課題。また、オフシーズン中にバイク事故を起こしたQBベン・ロスリスバーガーの完全復活は絶対条件となる。

 ベンガルズの今シーズンの命運は、昨シーズンのワイルドカード・プレイオフ、スティーラーズ戦で負傷したQBカーソン・パーマーの膝の回復具合。パーマーはプレシーズン戦では順調な回復振りを見せた。ジョン・キトナがチームを離れ、バックアップQBはアンソニー・ライトが務める。ディフェンス面ではSデクスター・ジャクソン、DTサム・アダムスを獲得し、昨シーズン28位からの建て直しを図る。

 レイブンズは新QBとして、テネシー・タイタンズからリーグMVPに輝いた経験もあるスティーブ・マクネアを獲得。LBレイ・ルイスを中心とした安定したディフェンスに加え、オフェンスに経験と実績を兼ね備えたベテランが加わることによりチーム力の大きな向上が期待される。ただ、1つ懸念されるのは、ここ数年負傷の多いマクネアが健康で1シーズンを乗り切れるか。

 ブラウンズはWRジョー・ジュービシャス、DTテッド・ワシントンらを補強。そしてLBにはロメオ・クレネルのペイトリオッツ時代の教え子ウィリー・マッギネストが加わる。また、TEケレン・ウィンスローの復帰も明るい材料。だが、期待のCラチャールズ・ベントレーがキャンプ中の負傷によりシーズン絶望となったのは大きな誤算となった。新先発QBとなる2年目のチャーリー・フライが同地区の強力なディフェンス陣を攻略できるか。

AFC南地区

 昨シーズンは圧倒的なオフェンス力に加え、AFC最小失点を記録したディフェンスの台頭により、14勝2敗でインディアナポリス・コルツが地区優勝。ジャクソンビル・ジャガーズも、12勝4敗で6年ぶりのプレイオフ進出を果たした。今シーズンはこの2チームの争いに加え、着実に選手を補強したテネシー・タイタンズが台頭する可能性も。ヒューストン・テキサンズは、ブロンコスで長年に渡りオフェンス・コーディネーターを務めたゲイリー・キュービアックを新ヘッドコーチに迎え、新たなチーム作りを行う。

 コルツでは長きに渡りチームの中核を成したトリプレッツの一角、RBエジャリン・ジェームスがチームを離れた。QBペイトン・マニングを中心としたパス攻撃は健在だが、ドミニク・ローズ、ドラフト1位のジョセフ・アダイがジェームスの穴を埋められるかが課題に。また、新キッカーとして宿敵ペイトリオッツのアダム・ビナティエリを獲得したのは大きい。

 ジャガーズは引退したWRジミー・スミスの穴を2人のドラフト1位レシーバー、2004年のレジー・ウィリアムスまたは2005年のマット・ジョーンズが埋められるかが課題となる。昨シーズンの快進撃の原動力となったリーグ6位のディフェンスは、ほぼ全員のスターターが戻る。今シーズンは昨年よりタフなスケジュールとなり、真の実力が試される。

 タイタンズはオフの間に、WRデイビッド・ギブンス、Cケビン・マワーイ、Sクリス・ホープ、ライバルのコルツからLBデイビッド・ソーントンと、積極的な補強を行った。しかし、タイタンズ浮上のカギはQBが握る。スティーブ・マクネアに代わる新スターターと目されたビリー・ボレックの不振により、開幕前にケリー・コリンズを獲得。マクネアの後継者として期待するドラフト1位ビンス・ヤングは、今シーズンは先発させずに育てる方針。

 テキサンズの命運は、QBデイビッド・カー、そして新ヘッドコーチ、ゲイリー・キュービアックが握る。キュービアックはブロンコス時代にQBジョン・エルウェイの控えとしてプレイし、引退後はオフェンス・コーディネーターとしてエルウェイに初のスーパーボウル・リングをもたらした。常にパスラッシュの矢面に立ったカーの再生に向け、ウエストコースト・オフェンスを採用するキュービアックへの期待は大きい。シーズン前の負傷により、RBドマニック・デービスがシーズン絶望となったことは痛手に。

AFC西地区

 昨シーズンはデンバー・ブロンコスが13勝3敗の成績で地区優勝を果たした。今シーズンも、22人中19人のスターターが戻るブロンコスがこの地区の主導権を握ることが予想される。その対抗と目されるカンザスシティ・チーフスは、オフェンスラインでの戦力ダウンが懸念される。サンディエゴ・チャージャースは、新QBの出来次第では台風の目となる可能性も秘める。戦力的には厳しい感のあるオークランド・レイダースは、12年ぶりに復帰する新ヘッドコーチ、アート・シェルの手腕が注目される。

 ブロンコスはRBマイク・アンダーソンの抜けた穴を、ドラフト外ルーキー、マイク・ベルが埋める。WRにはパッカーズからジェボン・ウォーカーを獲得。昨シーズン、キャリア最高の年となったQBジェイク・プラマーのターゲットとして期待される。ディフェンス面で、チームのサック王だったDEトレバー・プライスに代わるパスラッシャーを見つけることが鍵に。

 チーフスは昨年までジェッツを率いたハーマン・エドワーズが新ヘッドコーチとなった。このオフには両OT、ウィリー・ローフとジョン・ウェルボーンが引退を発表。リーグトップクラスの得点力を誇るオフェンスの屋台骨を失った痛手は、予想以上に大きい可能性がある。ディフェンス面ではCBタイ・ローを獲得。エドワーズは専門の守備の建て直しを図る。

 チャージャースは昨シーズンまでの先発QBドリュー・ブリーズを残留させず、2004年のドラフト1位指名フィリップ・リバースに将来をかけた。まさにチャージャースの今シーズンはリバースの右腕に委ねられる。その負担を軽減するためにもRBラデイニアン・トムリンソンにさらなる比重がかかることが予想される。

 レイダースも昨シーズンのケリー・コリンズに代わり、セインツからやって来たアーロン・ブルックスがスターターとなる。ブルックスは新たなオフェンスにも徐々に馴染み、WRランディ・モスとの息も合ってきている。また、ディフェンス面ではDTテッド・ワシントンの抜けた穴は大きい。選手たちにレイダース魂を植えつけ、シェルはここ数シーズンに渡り不調に苦しむレイダースを復活させられるか。

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