日本製鉄勤務の男性自殺 “残業急増や叱責でうつ病”労災認定

鉄鋼メーカーの日本製鉄に勤めていた男性が令和2年2月に自殺したのは残業時間の急増や上司からの叱責によってうつ病を発症したのが原因だったとして半田労働基準監督署が労災と認定していたことがわかりました。

遺族の代理人の弁護士によりますと、令和2年2月、日本製鉄の名古屋製鉄所に勤務していた水谷翔紀さん(当時28歳)が自殺したことについて、遺族が去年10月、仕事量の急増や上司から複数回の叱責が原因だったとして、労働基準監督署に対し労災の認定を申請していました。
これについて労働基準監督署は調査の結果、水谷さんは▼未経験だった発電設備の修繕業務を担当する中で、直属の上司から短期間のうちに4回にわたり叱責を受けていたことや▼自殺する直前の1か月の残業時間が前の月のおよそ3倍にあたる76時間に達していたことなどが原因でうつ病を発症し自殺にいたったとして、令和4年4月、労災と認定したということです。
母親の水谷友美さんは、「体の弱い私をいつも気にかけてくれる優しい息子だった。会社には1人の命が失われたことをしっかりと受け止めた上で本当のことを説明してほしい」と話しています。
一方、日本製鉄は「個人情報に関することなのでコメントは差し控えたい」としています。