ウクライナ反攻、南部で前進 新たな集落に到達 露は損耗拡大か

ウクライナ東部ドネツク州のバフムトに向けて弾を発射する高機動ロケット砲システム「ハイマース」(ゲッティ=共同)
ウクライナ東部ドネツク州のバフムトに向けて弾を発射する高機動ロケット砲システム「ハイマース」(ゲッティ=共同)

ロシア軍に対するウクライナ軍の反攻で、露軍事メディア「ウォーゴンゾ」は28日までに、ウクライナ軍が反攻の主軸である南部ザポロジエ州で集落ノボプロコポフカ付近に到達したと交流サイト(SNS)で報告した。ノボプロコポフカは、ウクライナ軍が8月下旬に奪還した集落ロボティネから当面の奪還目標である小都市トクマクへの進出ルート上に位置。ウクライナ軍が南部で徐々に前進していることが示された。

米シンクタンク「戦争研究所」も26日付の戦況分析で、ノボプロコポフカ付近での戦闘に言及。露軍は練度の低い部隊を戦闘に投入し始めたとし、この地域で露軍の主力を担ってきた精鋭の空挺(くうてい)部隊の損耗拡大を示唆していると指摘した。

一方、東部ドネツク州の戦況に関し、ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、詳細への言及は避けつつ「ウクライナ軍が前進している。他の狙いも実現しつつある」とSNSで表明した。

ウクライナ軍は南部での反攻で、露軍支配下にあるアゾフ海沿岸の「陸の回廊」を分断し、露軍の補給路を断つことで南部一帯の解放を目指している。ウクライナ軍はアゾフ海沿岸の主要都市メリトポリやベルジャンスクの奪還に向け、両都市への進出ルート上に位置するトクマクを奪還したい考えだ。東部では、ドネツク州バフムト周辺で、この州の全域制圧を狙う露軍との戦闘を続けている。

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