2007年04月16日 更新

井筒監督、映画「パッチギ!〜」トークショーで廃業予告!

「パッチギ!〜」の“特別講義”で「LOVEは憎しみ、PEACEは戦争」と解説した(右から)井筒和幸監督と中村ゆり、井坂俊哉=東京・白金台 

「パッチギ!〜」の“特別講義”で「LOVEは憎しみ、PEACEは戦争」と解説した(右から)井筒和幸監督と中村ゆり、井坂俊哉=東京・白金台 

 映画「パッチギ!LOVE&PEACE」(5月19日公開)の井筒和幸監督(54)が15日、東京・白金台の明治学院大学で行われたトークショー付試写会に出席し“監督廃業”を予告した。

 「パッチギ!〜」は平成17年の大ヒット作の続編で舞台は前作から6年後の昭和49年、京都から東京に移り住んだ在日朝鮮人兄妹を軸に描く青春群像劇。入魂作の見どころをひとしきり語り終えると「ちょっと話がブレるけど、俺は自由と解放のために映画を作っている。窮屈や、むごたらしい憎しみが続く限り、撮り続ける。でも自由、解放が目の前に現れたら映画作る必要はなくなる。そしたら農業やりますよ」と宣言した。

 トークショーは約1時間。同大生らと“聴講”した主人公の兄アンソン役の俳優、井坂俊哉(27)は「監督の話にのめり込んでしまいました。このオッサン(同監督)に(愛情の)パッチギ(頭突き)を入れたい」。途中メモを取る姿を見せた妹キョンジャ役の女優、中村ゆり(25)も「私たちが知らないこと、勘違いしていることをフェアに話してくれる。監督はすごくいろいろなことを考えていらっしゃるんですね」とエールを送るなど、約200人の観客が井筒節に魅了されていた。

★都知事の映画に辛口ラブコール

 自作を愛でる一方で、石原慎太郎東京都知事(74)が製作総指揮・脚本を務める映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」(新城卓監督、同12日公開)に辛口交じりにラブコールを送り、ライバル心をのぞかせるひと幕も。

 太平洋戦争末期の若い特攻兵たちのエピソードを盛り込んで描いた戦争群像劇「俺−」に、井筒監督は「決戦ですね」と言い放つ一方、「映画なら俺が先輩やから先に観に来て欲しい。そしたら観に行こ」と交流を提案。さらに「戦争は醜悪な人殺し。生き地獄に駆り出された若者のことをどう思ってるのかな?っていうか観たいな」と内容に興味津々だった。