セガ、インデックス買収発表 スマホゲームに活路
セガサミーホールディングスは18日、子会社のセガが経営再建中のゲーム会社、インデックスの主要事業を譲り受けると発表した。セガが設立した全額出資子会社を受け皿として、11月に事業を買収する。セガはインデックスが保有する人気ゲームをスマートフォン(スマホ)向けなどに展開。不振の家庭用ゲーム事業のてこ入れを狙うほか、ネット関連事業へも参入、収益源の多様化につなげたい考えだ。
11月1日に、インデックスの家庭用や業務用のゲーム事業のほか、コンテンツ関連事業などを譲り受ける。現在ある同社のほぼ全事業となる見通し。譲渡額は明らかにしていないが、140億円前後とみられる。
6月に民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請したインデックスの、当時の負債総額は245億円。セガは原則として負債は承継しないとしている。6月に粉飾決算の疑いがあるとして、証券取引等監視委員会がインデックスに強制調査を実施したが、セガは旧インデックス側の問題として、事業譲渡後の経営リスクは小さいと見ている。
セガが事実上のインデックス買収に動いたのは、ゲーム事業の不振が続くためだ。特に家庭用ゲーム事業は、欧米市場を中心にソフト販売が冷え込み、2期連続で営業赤字となっている。2013年3月期のソフト販売本数はタイトル数の削減もあり、1078万本と、09年3月期の3分の1近くまで減少した。
一方、インデックスのゲーム事業は「真・女神転生」や「ペルソナ」など根強い人気タイトルを保有する。「女神転生」の最新作は13年1~6月の国内のソフト販売ランキングでトップ10に入った。セガは同事業の取り込みによる利益貢献を見込むほか、人気が高まるスマホ向けに転用し、ゲーム事業を立て直したい考えだ。
事業買収を機に、インデックスが得意とするネット関連事業にも参入する。同社はテレビ番組やネット証券会社の携帯電話向けサイトを受託開発しているが、資金難のためにシステム投資などが遅れ、収益性が悪化している。セガはネット関連事業に積極投資し、新たな収益源への育成を狙っている。
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