「日本人と認めて」 フィリピン残留日系人2世が来日
太平洋戦争前や戦中にフィリピンで生まれ、残留日系人2世となった男女6人が5日、日本国籍の取得などを求めて来日し、羽田空港での記者会見で「日本人と認めてほしい」と訴えた。
2世は戦争終結までの間にフィリピンへ移住した日本人の父親と、地元の女性との間に生まれたが、父親が戦争で亡くなったり日本へ強制送還されたりして、現地に取り残された。
6人はいずれも初来日で11日まで滞在し、東京家裁の調査官と面接したり、外務省や厚生労働省を訪れたりする予定。
フィリピンで漁業をしていた父が戦中に日本兵となり、連絡が途絶えたままというミヤケ・ヒデオさん(71)は「日本で私の家族に会いたい」と訴えた。
終戦前年に生まれたヤギ・ホセフィーナさん(70)は1歳の時に父親と別れた。「父の写真だけでも見たい。小さいころは差別を受けたこともあるが、日本人だと認めてほしい」と涙ながらに語った。
支援団体「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」によると、2世は約3千人。これまで延べ211人が国籍回復を申請し、129人が認められた。今回の6人を含め現在も23人が申請中で、平均年齢は75.3歳という。〔共同〕