ナンペイ事件:粘着テープから指紋 10年前死亡の男か

毎日新聞 2015年02月18日 13時04分(最終更新 02月18日 13時33分)

3人が射殺されたスーパーナンペイの2階事務所付近を調べる捜査員=東京都八王子市大和田町で1995年7月31日
3人が射殺されたスーパーナンペイの2階事務所付近を調べる捜査員=東京都八王子市大和田町で1995年7月31日

 東京都八王子市大和田町4の「スーパーナンペイ大和田店」事務所で1995年7月、女性3人が射殺された事件で、被害者の女子高校生2人が縛られた粘着テープから指紋の一部が採取され、約10年前に60代で病死した日本人の男の指紋とほぼ一致していたことが警視庁への取材で分かった。同庁八王子署捜査本部は、この男が実行犯の可能性もあるとみて、銃の入手が可能だったかなどを調べている。拳銃を使った残忍な手口で世間を震撼(しんかん)させた凶悪事件は、発生から約20年を経て大きく動き出す可能性が出てきた。

 同庁幹部によると、被害者の都立館高2年、前田寛美さん(当時16歳)と桜美林高2年、矢吹恵さん(同17歳)は粘着テープで口をふさがれ、2人一緒に手を縛られていた。

 警視庁は最近になって、このテープに残っていた指紋について特殊な液体や剥離剤を使ってはがし、採取することに成功した。この指紋を1000万人以上とされる指紋データベースと照合した結果、事件当時、東京都の多摩地域に住み、約10年前に死亡した男の指紋とほぼ一致していたことが分かった。

 指紋は被害者やこれまで捜査に当たったすべての捜査員のものとも一致しておらず、犯人が女子高生2人を縛った際に付着した可能性があるという。指紋は鑑定する12点が全て一致すると同一人物と判断される。粘着テープから検出されたのはうち8点で、8点について男の指紋と一致したという。【松本惇】

 【ことば】八王子スーパー強盗殺人事件

 1995年7月30日午後9時15分ごろ、東京都八王子市大和田町4の「スーパーナンペイ大和田店」2階事務所で、パート従業員の稲垣則子さん(当時47歳)、いずれもアルバイトで高校2年の矢吹恵さん(同17歳)、前田寛美さん(同16歳)の計3人が頭を拳銃で撃たれて殺害された。事務所の金庫にも弾痕があったが、中にあった現金約500万円は残されたままだった。

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