日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
アニオンギャップ偽正常化を伴うケトアシドーシスを認めたブロム中毒の1例
齊藤 弥積中田 泰之山中 修一郎内山 威人山本 泉大城戸 一郎比嘉 瞳松野 博優横尾 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 106 巻 11 号 p. 2410-2417

詳細
抄録

悪心嘔吐,意識障害,小脳性運動失調を呈した50歳女性.偽性高クロール血症と著明な虫部を含めた小脳全般の萎縮がみられ,ブロムワレリル酸含有解熱鎮痛薬の常用歴があり,血中ブロム濃度の高度上昇を確認し,ブロムワレリル酸中毒と診断した.ブロムワレリル尿素含有解熱鎮痛薬は本邦では一般に市販され,今なお,問題となり得る疾患であり,病態にそぐわない高クロール血症では,同疾患も念頭に置いた診断・治療が求められる.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top