東京・あきる野市長に中嶋氏初当選 不信任で失職の村木氏ら破る

市長選で初当選が確実になり、万歳三唱する中嶋博幸氏(中央)=4日午後10時14分、あきる野市秋川(末崎慎太郎撮影)
市長選で初当選が確実になり、万歳三唱する中嶋博幸氏(中央)=4日午後10時14分、あきる野市秋川(末崎慎太郎撮影)

東京都あきる野市の村木英幸前市長(65)が、特別養護老人ホームの整備を巡る問題で市議会から2度の不信任決議を受け失職したことに伴う市長選は4日投開票され、無所属新人で元市議の中嶋博幸氏(55)=自民、公明推薦=が、無所属の村木氏ほか2人を破り、初当選を果たした。投票率は41・69%(前回41・78%)、当日有権者数は6万6642人。

市長と市議会の対立に揺れたあきる野市の市民は、市政の刷新を選んだ。

午後10時5分ごろ、当選が確実になった中嶋氏は約90人の支援者が集まる同市秋川の選挙事務所に姿を現し、深々と一礼。万歳三唱の後、「これで終わりではなく、ここがスタート。この混乱してしまった市政を一日も早く立て直して、前に進めていかなくてはならない」と力を込めた。

同市では、特養新設を独断で進めようとした村木氏に、市議会が反発。6月の市長不信任決議を受けて村木氏は市議会を解散、市議選後の7月に2度目の不信任決議を受けて失職した。

元議長の中嶋氏は市長批判票の受け皿となったほか、所得制限がない18歳以下の医療費無償化なども公約し幅広く支持を広げた。

支援者を前にあいさつする村木英幸氏=午後10時12分、あきる野市菅生(中村雅和撮影)
支援者を前にあいさつする村木英幸氏=午後10時12分、あきる野市菅生(中村雅和撮影)

村木氏の同市菅生の選挙事務所では、午後10時過ぎに敗色が濃厚になると村木氏本人が姿を現し、集まった約30人の支援者らを前に「本当に申し訳なく思っている。今後は地域の一員として、さまざまな形で貢献をさせていただきたい」と頭を下げた。

争点となった特養ホームの整備については「自分の訴えが伝わらなかったところはある。議会に対してもう少し熱心にお願いをするべきだった」と反省の弁も。自身への不信任決議によって市議選、市長選が続いたことについて「市民をお騒がせしてしまった」と述べた。

(末崎慎太郎、中村雅和)

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