主張

都知事選 冷徹に新たな顔の選択を

 首都の顔を選択する東京都知事選は14日、告示される。

 新知事には、まず、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催都市のトップにふさわしい人物であることが求められる。

 同時に、深刻な少子高齢化の対策や待機児童の解消、防災都市づくりなど、山積する課題に対峙(たいじ)する強いリーダーシップが欠かせない。

 猪瀬直樹氏、舛添要一氏と、2代続けて「政治とカネ」の問題によるお粗末な退任劇を繰り広げた末の選挙である。清廉な人物であることは大前提だ。

 こうした条件を満たす候補者は誰なのか。有権者は冷徹な目で吟味する必要がある。もう失敗は、許されない。

 ただ、13日に日本記者クラブで行われた立候補予定者の共同会見をみる限り、十分な選択肢が用意されたとは言い難い。

 共同会見には、元日弁連会長の宇都宮健児氏、元防衛相の小池百合子氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相の増田寛也氏が出席した。

 それぞれの知事選に対する「一言」は以下の通りである。「困ったを希望に変える東京へ」「東京大改革」「がん検診100%」「混迷に終止符」。そして全候補が、五輪の成功と経費の見直しを標榜(ひょうぼう)し、待機児童の解消を約束した。そこに、大きな差異は見いだしにくい。

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