JR西日本207系電車のソースを表示

{{pp-vandalism|small=yes}}
{{otheruses|西日本旅客鉄道（JR西日本）が導入した207系|日本国有鉄道が[[常磐線]]に導入した207系|国鉄207系電車}}
{{加筆依頼|0代体質改善車への密閉式WMT107主電動機搭載について|date=2023-05-07}}
{{鉄道車両
| 車両名   = JR西日本207系電車
| 背景色   = #0072bc
| 文字色   = #ffffff
| 画像     = Series-207-1000R-S16 (2022-01-20).jpg
| 画像説明 = [[東海道本線]]を走行する1000番台体質改善車<br>（2022年1月 [[三ノ宮駅]] - [[元町駅 (兵庫県)|元町駅]]間）
| 運用者   = [[西日本旅客鉄道]]
| 製造所   = [[川崎重工業]][[川崎車両|車両カンパニー]]<br />[[近畿車輛]]<br />[[日立製作所]][[日立製作所笠戸事業所|笠戸事業所]]<ref name="Manufacturer" group="*">2000番台を除く。</ref><br />[[西日本旅客鉄道]][[後藤総合車両所]]<ref name="Manufacturer" group="*"/><br />[[西日本旅客鉄道鷹取工場]]<ref group="*">モハ206-11のみ。</ref>
| 製造年   = 1991年 - 2003年
| 製造数   = 484両
| 運用開始 = 1991年4月30日
| 編成     = 2・3・4・6・7両
| 軌間     = 1,067 mm
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1,500V<br/>（[[架空電車線方式]]）
| 最高運転速度 = 120 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.7 km/h/s
| 常用減速度 = 3.5 km/h/s
| 非常減速度 = 4.2 km/h/s
| 編成定員 = 1,115名
| 車両定員 = 座席50・立席100（先頭車）<br />座席58・立席105（中間車）
| 自重     = 
| 編成重量 = 213.0 t
| 編成長   = 
| 全長     = 20,000 mm
| 全幅     = 2,950 mm
| 全高     = 3,700 mm
| 車体材質 = [[ステンレス鋼|ステンレス]]
| 台車     = ボルスタレス台車（[[蛇行動|ヨーダンパ付]]）
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]]
| 主電動機出力 = 
| 駆動方式 = [[WN駆動方式|WNドライブ]]
| 歯車比   = 1:7.07
| 出力     = 
| 編成出力 = 
| 制御方式 = [[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]
| 制御装置 = 
| 制動装置 = [[電気指令式ブレーキ]]<br />[[鉄道のブレーキ#耐雪ブレーキ|耐雪ブレーキ]]<br />[[全電気ブレーキ]](2000番台・体質改善車)
| 保安装置 = [[自動列車停止装置#ATS-S改良形|ATS-SW]],[[自動列車停止装置#ATS-P形（デジタル伝送パターン形）|ATS-P]]<br />[[列車防護無線装置]]<br />[[緊急列車停止装置|EB]]・[[緊急列車防護装置|TE装置]]<br />[[車両異常挙動検知システム]]（2000番台・体質改善車）
| 備考     = '''脚注'''<br /><references group="*"/>
}}
'''JR西日本207系電車'''（JRにしにほん207けいでんしゃ）は、[[1991年]]（[[平成]]3年）に登場した[[西日本旅客鉄道]]（JR西日本）の[[直流電化|直流]][[通勤形車両 (鉄道)|通勤形電車]]<ref>[http://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/ データで見るJR西日本] {{Wayback|url=http://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/ |date=20210115204053 }} - 西日本旅客鉄道 p.122</ref>である。

== 概要 ==
[[片町線]]と[[福知山線]]を連絡する地下線の片福連絡線（現・JR東西線）に[[地下鉄等旅客車|対応]]する通勤形車両として開発され、[[JR東西線]]に乗り入れる各線での共通運用および老朽化した[[国鉄103系電車|103系]]の置き換えのため増備された。

運行路線の大半が私鉄と並行していることから、[[JR西日本221系電車|221系]]近郊型電車を基本として内外装のグレードアップを図った。製造当初から半自動ドア機能や耐雪ブレーキといった[[寒冷地仕様|寒冷地対策]]が施されており、JR西日本[[アーバンネットワーク]]の直流電化区域全域での使用が可能となっている。

製造は[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]・[[近畿車輛]]・[[日立製作所]]が担当し、一部は自社の[[後藤総合車両所]]・[[鷹取工場]]で製造され、12年にわたって484両が増備された。

== 構造 ==
本節では原則登場当時の仕様を記述する。

=== 車体 ===
[[ファイル:JR-W 207series(old).JPG|thumb|207系1000番台旧帯]]
20 m 級片側4扉車体を有し、[[オールステンレス車両|オールステンレス]]構体で構成されている。前頭部の前面は[[炭素鋼|普通鋼]]製、側面および屋根面は [[繊維強化プラスチック|FRP]] 製となっている。車体幅は在来の通勤形電車が車体幅 2,800 mm だったのに対し、本系列は車内空間にゆとりを持たせるために[[近郊形車両|近郊形電車]]と同様の2,950 mm のワイドボディが国鉄・JRで初めて採用された点が特徴である。

国鉄・JRの通勤型車両では初めて前面に新造時から[[排障器|スカート]]が装備された。スカートは[[2004年]]までに全車強化型に換装されている。

前面は中央に非常用[[貫通扉]]が設けられた半円筒形状で、中央が膨らんでおり、横から見ると扇型に見える形状で、事故時の衝撃吸収の役割を持たせて厚めに造られている。[[前照灯]]と[[尾灯]]は四角型のものが横に合計4灯並べられている。

塗装は側面窓下に、JR西日本の[[コーポレートカラー]]と[[琵琶湖線]]・[[JR京都線]]・[[JR神戸線]]の[[日本の鉄道ラインカラー一覧|ラインカラー]]を表す濃淡ブルーと、境目に白色が入った帯を採用した。濃いブルーの帯は前面窓下にも入れられている。

妻面には、妻壁外面に設置された[[消火器]]を車内に取り込む経路として、また非常時の換気用の開口面積を確保する目的で大型の一枚下降窓が備わっている。このため、車両間同士を繋ぐ客用貫通路が中央からJR神戸線走行時で北寄りにオフセット設置されており、左右非対称になっている。また、妻面壁の上部に通気孔が設けられている。

転落防止幌は[[2002年]]（平成14年）の2000番台の1次製造分から装備されており、[[2006年]]より1000番台のS18編成を除いた全編成に設置された。2003年の2000番台2次製造分から[[緊急列車停止装置]]（EB装置）を装備するようになり、2003年より非装備車への追加設置が始まった。

[[方向幕|種別・行先表示器]]は221系と同様に種別を幕式、行先を[[発光ダイオード|LED]]式とした。<gallery>
ファイル:207 rapid-2.jpg|正面の種別幕と行先表示器
ファイル:JR207系&321系表示機.jpg|種別幕と行先表示器の比較（上が207系、下が321系）
</gallery>

=== 車内 ===
{{試聴|filename=Doormusic.ogg|title=207系ドアチャイム|description=207系のドアチャイム|format=[[Ogg]]}}
客用ドアの室内側は化粧板仕上げで、室内照明である蛍光灯にはカバーが設置されている。座席は従来より座面高さ、奥行き、クッションの最適化を図り、座り心地改善が図られている。腰掛表地は従来のナイロンモケット地を使用し風合いと耐久性に配慮している。登場当初の座席は青色のモケットを採用していたが、[[2010年]]（平成22年）以降緑色の座席へと交換が順次進められた。

また、腰掛両サイドには、仕切りを兼ねた肘掛袖パネルを設置、仕切りパイプを高い位置まで伸ばすことで、立ち客への握り棒を兼ねている。袖仕切りのスタンションポールは他の関西私鉄の通勤形車両と同様、車内見附を重視することから省略されている。一部編成には、7人掛けの励行を促すべく[[バケットシート]]が試験導入されていた<ref group="注">その後、321系で本格的に採用されることになったが6人掛けとなり、その導入目的とその形状は全く異なる。</ref>。また、[[1993年]]（平成5年）3月以降に製造された車両は、座席が片持ち式となっている。

そのほか、側扉には半自動ドアスイッチを設け、夏季および冬季での車内温度維持のため閑散区間および停車時間の長い一部の駅で使用されている。半自動ドアスイッチは、車内側は開閉可能であるが、車外側は配線を簡略化するため開スイッチのみとした。

側窓は空調効率や防音効果、冬季の結露防止のため[[複層ガラス]]の固定窓が採用された。その結果、緊急時に必要とされる換気量が側窓から確保出来なくなり、開閉可能な大型妻面窓が設けられた。これにより妻面の貫通扉が偏心している。大型化した妻面窓により、連結車両間の見通しが良くなるとともに、この車両のインテリアの特徴ともなった。

また[[バリアフリー]]への対応として、ドア付近への[[つり革]]設置およびJR西日本の車両では初の[[ドアチャイム]]が設置された。また、ドア上部にLED 式の[[車内案内表示装置]]が千鳥配置で1両あたり計4か所設置されている。停車駅の案内のほか、[[広告]]媒体としても使用される。
[[車椅子スペース]]は、2000番台のみクハ206形の車端部に新製当時より設置されている。0・1000番台については体質改善工事施工時に編成の両先頭車に新設<ref name="JRW press 20140922pdf" />された。

一部の編成では定期的に盲導鈴が鳴動しており、2009年度内までに枕木方向につり革を追加している。

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ファイル:JR-West207(4).jpg|車内旅客案内装置
ファイル:JR-West207(6).JPG|運転開始当初の青色の座席
ファイル:207zaseki.green.jpg|緑色に変更した座席
ファイル:JR207keisitunai.jpg|0番台初期車の車内。初期の製造車のみ片持ち式座席ではない。
ファイル:JR207バケット.jpg|バケットシート（1000番台）
ファイル:画像-JR207系室内.jpg|2000番台の車端部。右側に[[車椅子]]スペースがある。
ファイル:JRW207-Z21 renewal inside of train.jpg|吊り手が225系仕様になり、緑色の座席となった車内。
</gallery>

==== 乗務員室 ====
[[操縦席|運転台]]の[[マスター・コントローラー|マスコン]]は221系と同様の[[マスター・コントローラー#横軸ツインレバー型マスコン|横軸ツインレバー型]]を採用した。力行ノッチ6段、常用[[ブレーキ]]8段は、後継の321系と共にJR西日本の電車として最多である。2000番台と体質改善車をのぞき、圧力計などの各計器類はデジタル表示となっている。運転台右横に設置された[[鉄道車両のモニタ装置|液晶モニタ装置]]では、車両の様々な状態の監視と空調等の各設定を行うことが可能で、運転・車掌業務をサポートしている。JR西日本の新系列車両にはこの207系以降から一部の例外を除き､補助警笛として[[警笛#西日本旅客鉄道（JR西日本）|ミュージックホーン]]を標準装備するようになった。

運転台背面の仕切りには窓が3枚並び、そのうち中央は仕切り扉である。[[車掌スイッチ]]は221系と同様に間接制御式（リレー式）を採用した。
<gallery>
ファイル:JRW 207-0 driver cab digital instrument panel (1).jpg|0番台の運転台
ファイル:Jrw207-1000 cocpit.jpg|1000番台の運転台
ファイル:JRW 207-2000 driver cab analog instrument panel.jpg|2000番台の運転台
</gallery>

=== 主要機器 ===
主回路制御にはJR西日本の車両で初めて[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]が採用された<ref>{{Cite web |1=和書 |url=https://trafficnews.jp/post/117888 |title=JR西日本の「207系」電車がデビューした日 学研都市線の新エース車両 -1991.4.30 |access-date=2022-06-19 |date=2022-04-30 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20220430021330/https://trafficnews.jp/post/117888 |archive-date=2022-04-30 |website=乗りものニュース }} {{Webarchive|url=https://archive.ph/20220430084456/https://trafficnews.jp/post/117888 |date=2022年4月30日 }}</ref>。製造期間が約10年の長期にわたっているため、VVVFインバータの[[半導体素子|制御素子]]はパワートランジスタ（PTr）、[[ゲートターンオフサイリスタ]] (GTO) 、[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ]] (IGBT) などの差異がある。

[[集電装置|パンタグラフ]]はJR東西線内の[[剛体架線]]区間での離線対策で、下枠交差式の WPS27 形をクモハ207形およびモハ207形1両あたり2基搭載する。JR東西線以外では第1パンタグラフのみを上げて走行し、[[尼崎駅 (JR西日本)|尼崎駅]]と[[京橋駅 (大阪府)|京橋駅]]で第2パンタグラフの昇降を行っている。

駆動装置は国鉄・JRを通して在来線電車としては初の[[WN駆動方式|WNドライブ]]が採用され、JR西日本の新系列在来線車両は本形式以降、WNドライブが標準採用されている<ref group="注">ただし新幹線車両では[[新幹線N700系電車|N700A系]]（九州直通用を除く）の[[グリーン車]]に[[TD平行カルダン駆動方式|TD継手]]が採用されている。</ref>。歯車比は14:99（7.07）である。最高速度は登場当時の通勤形では初の120 km/h<ref group="注">同時期に登場した[[JR東日本209系電車]]（主電動機の1時間定格出力95kw・ギア比7.07）が最高110 km/hで、それ以前の形式（110 km/hに対応する[[国鉄205系電車#1000番台（JR西日本）|205系1000番台]]を除く）は100 km/h である。なお、209系の後継形式である[[JR東日本E231系電車|E231系]]は同じ出力・ギア比ながら、主電動機の許容回転数を引き上げることで、最高120 km/hを可能としている。</ref>対応となった。

空調装置は221系を踏襲した集約分散式冷房装置2基を全車に搭載している。

== 形式 ==
; クモハ207形（Mc）
: 京都寄りの先頭に連結される制御電動車。前位寄りに運転台を備え、パンタグラフと主回路機器を搭載する。モハ207形に運転台を取り付けた構造を持ち、0番台は存在しない。なお、2017年時点では3両編成のクモハ207形は[[和田岬線]]での代走以外、営業運転で先頭に立つことはない<ref group="注">7両編成時は常に中間に連結され、[[2010年]][[3月12日]]まで実施されていた京田辺駅での増解結時でも移動することなく別の4両編成と連結していたため。</ref>。
; モハ207形（M, M1）
:; 0番台
:: パンタグラフ、[[圧縮機|空気圧縮機]]、主回路機器を搭載する[[動力車|中間電動車]]。0番台は単独またはモハ206形・モハ207形1000番台とユニットを組んで使用され、モハ207形1000番台とユニットを組む車両は500番台の番号となっている。
:; 1000・2000番台
:: パンタグラフと主回路機器を搭載する中間電動車。単独で使用される。[[女性専用車両|女性専用車]]。ただし、1000番台車のうち1500番台の番号をもつ車両はパンタグラフを装備しない。
; モハ206形（M2）
: モハ207形0番台からパンタグラフ、空気圧縮機、補助電源装置を省略した構造の中間電動車で、モハ207形0番台とユニットを組んで使用される。女性専用車。
; クハ207形（Tc）
: 京都寄りの先頭に連結される[[制御車]]。0番台のみに存在する。当初から[[連結器#電気連結器|電気連結器]]を装備して製造された車両は100番台の番号が付されたが、のちに試作編成以外の0番台の車両にも追加装備され、結果的に番号による差はなくなっている。また、1000・2000番台は当該位置にクモハ207形が連結されるため存在しない。
; クハ206形（Tc'）
: 西明石・新三田寄りの先頭に連結される制御車。0番台は試作編成の1両のみで、すべてのZ編成・H編成は100番台が連結されている。2000番台では1位側（連結面南側）に車椅子スペースが設置され、同部分の窓には保護棒が取り付けられている。2010年3月改正以降、4両編成のクハ206形は試運転を除き、営業運転で先頭に立つことがなくなった。
; サハ207形（T, T1）
: [[付随車]]で、0番台は試作編成内の2両のみ在籍する。1000番台・2000番台では全編成に1両ずつ連結されている。また、1000番台T1 - T14編成のサハ207形は、製造当初は6両編成に連結されていたため、空気圧縮機が搭載された1100番台となっている。

「ユニット」とは隣り合う電動車同士で別々の機器を搭載し、2両で1組の機構とする方式。それまでの形式ではユニットの2両は検査などがない限り切り離されなかったが、207系は機器を集約することでモハ207形またはクモハ207形単独での使用も可能な設計にされている。

<gallery>
ファイル:JRW series207 Tc-206.jpg|クハ206形0番台
ファイル:JRW series207 T-207.jpg|サハ207形0番台
ファイル:JRW series207 M2-206.jpg|モハ206形0番台
ファイル:JRW series207 M1-207.jpg|モハ207形0番台
ファイル:JRW series207 Tc-207.jpg|クハ207形0番台
ファイル:JR207系1000番台.jpg|モハ207形1000番台
ファイル:JR207系1000番台2.jpg|サハ207形1000番台
ファイル:JR207系1100番台.jpg|サハ207形1100番台<br />床下中央部に空気圧縮機を搭載。
ファイル:JR207系1500番台.jpg|モハ207形1500番台<br />屋根にパンタグラフ関係の配管が残っている。
ファイル:JR207系500番台.jpg|モハ207系500番台<br />左の1500番台とは冷房装置の形状が異なる。
</gallery>

== 番台別解説 ==
=== 0番台 ===
{{鉄道車両
| 車両名   = 0番台
| 背景色   = #0072bc
| 文字色   = #ffffff
| 画像     = Series-207-0R-Z7 (2022-10-29).jpg
| 画像説明 = 0番台Z7編成<br>（2022年10月 [[尼崎駅 (JR西日本)|尼崎駅]]）
| 製造所   = [[川崎重工業]]<br />[[近畿車輛]]<br />[[日立製作所]][[日立製作所笠戸事業所|笠戸事業所]]<br />[[西日本旅客鉄道]][[後藤総合車両所]]<br />[[西日本旅客鉄道鷹取工場]]<small>（モハ206-11のみ）</small>
| 製造年   = 1991年 - 1993年
| 製造数   = 147両
| 運用開始 = 1991年4月30日
| 編成     = 4両（2M2T）<br />7両（量産先行車、3M4T）
| 編成定員 = 
| 車両定員 = 
| 自重     = 35.0 t（モハ207形）
| 編成重量 = 
| 台車     = 円錐積層ゴム式<br />WDT52（電動車）<br />WTR235J（付随車）
| 主電動機 = WMT100
| 主電動機出力 = 155 kW（WMT100）
| 制御方式 = [[ゲートターンオフサイリスタ|GTOサイリスタ]][[チョッパ制御]]+[[トランジスタ|3ステップパワートランジスタ]][[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]<br />WPC1 (1C2M)<br />[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]][[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]](体質改善車)
| 制御装置 = 
| 制動装置 = [[電気指令式ブレーキ|電気指令式]]（[[保安ブレーキ|直通予備]]・[[回生ブレーキ|回生]]・[[抑速ブレーキ|抑速]]）<br>[[全電気ブレーキ]]（体質改善車）
| 保安装置 = [[自動列車停止装置#ATS-S改良形|ATS-SW]],[[自動列車停止装置#ATS-P形（デジタル伝送パターン形）|ATS-P]]<br />[[列車防護無線装置]]
| 備考     = 
}}
[[ファイル:JRW Series-207-H14 Tōkaidō-Line (2021-02-03).jpg|thumb|0番台未更新車]]
{{試聴|filename=207-0H.ogg|title=0番台発車|description=207系0番台の発車時の磁励音|format=[[Ogg]]|filename2=207-0T.ogg|title2=0番台停車|description2=207系0番台の停車時の磁励音|format2=[[Ogg]]}}

片町線（学研都市線）で使用された103系の代替として147両が製造された。

制御装置 (WPC1) は、[[ゲートターンオフサイリスタ|GTOサイリスタ]]の昇降圧チョッパ回路<ref group="注">パワートランジスタは耐圧・耐電流容量が低いため。</ref>+パワートランジスタ素子(PTr)による3レベルインバータで構成され、台車単位の制御を行っている。

補助電源装置は[[トランジスタ]]インバータで構成され、定格容量 122 kVA を備える WSC28 を、空気圧縮機にはレシプロ式の WMH3093-WTC2000A を搭載する<ref name="RF 199604 64">『鉄道ファン』1996年4月号、交友社、1996年、p.64</ref>。

主電動機は出力 155 kW の WMT100 を搭載する。
[[ファイル:Series-207-0 F1.jpg|サムネイル|電気連結器を装備しない量産先行車]]

==== 試作車 ====
[[1991年]]に[[MT比]]3M4Tの7両固定編成（当時はC1編成）として近畿車輛で3両、川崎重工業で4両が落成し、[[淀川電車区]]（現・[[網干総合車両所]]明石支所放出派出所、以下同じ）に配置された。同年[[4月30日]]から片町線（学研都市線）[[片町駅|片町]] - [[松井山手駅|松井山手]]間で運用を開始した<ref>『JR電車編成表 '92冬号』ジェー・アール・アール、1992年。ISBN 4-88283-016-7。</ref><ref name="RF 199604 63">『鉄道ファン』1996年4月号、交友社、1996年、p.63。</ref>。
* '''試作車 編成表'''
{| class="wikitable" style="text-align: center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 2em;"
|-style="border-bottom:solid 5px #0072bc;"
!編成番号
|colspan="7"|{{TrainDirection|木津|京橋}}
|-
!style="background-color:#eee;"|F1
|style="width:6em;"|クハ207<br />-1
|style="width:6em;"|モハ207<br />-1
|style="width:6em;"|モハ206<br />-1
|style="width:6em;"|サハ207<br />-1
|style="width:6em;"|サハ207<br />-2
|style="width:6em;"|モハ207<br />-2
|style="width:6em;"|クハ206<br />-1
|}
試作車であるが、国鉄の試作車の多くに付されていた「'''900番台'''」とはされておらず、'''量産先行車'''と呼ばれることもある。

当初は客用両開き扉のガラスにD字形の左右非対称の物が、丸みの無い側が左右で向かい合わせとなるように使用され、両者の間は窓周りが黒く塗装され、大型一枚窓風に見えるような工夫がなされていた。運転台右横に設置されるモニタ装置がカラー表示ではなく、221系に準じた橙色の単色表示かつ非[[タッチパネル]]式で下部に10個のボタンがあった。運転台に「デスク型」と呼ばれる独特な形状のマスコン・ブレーキハンドルが採用されるなど、試作編成独自の装備を有していたが後に量産車に合わせた改造が行われた。また、[[エア・コンディショナー#鉄道用|冷房装置]]は221系と同じ集約分散式の WAU701 が採用された点も異なる。7両固定編成のため、前頭部に電気連結器は装備していない。

1本のみ在籍し、片町線（学研都市線）は2010年3月12日まで[[京田辺駅]] - [[木津駅 (京都府)|木津駅]]間は4両対応であったことから、7両固定編成である本編成は東海道本線・山陽本線（JR京都・神戸線）で限定運用で充当されていた。

後継車の321系がある程度出揃った2006年3月18日のダイヤ改正より、321系と共通運用されるようになったが、2008年3月15日のダイヤ改正で321系のJR東西線・学研都市線（京橋駅 - 松井山手駅間）での運用が開始されたのに伴い、JR東西線・学研都市線でも運用されるようになり、学研都市線内のみの運用も復活している。その後、2012年3月17日より他の207系とも完全な共通運用となった。

2022年4月6日に吹田総合車両所に回送<ref name=rf20220407 />され、翌7日付で廃車された<ref name="JRR 2023w 360">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2023冬 交通新聞社、2022年、p.360。ISBN 9784330067223。</ref>。

==== 量産車 ====
[[1991年]]から製造が始まったグループ。このグループからは4両編成および3両編成での製造となり、日立製作所が製造に加わっている。試作車が1からの番号を付されているので、2（モハ207形は3）以降の車体番号が与えられている。140両が製造された。

運用範囲が片町線全線と[[関西本線]]（[[大和路線]]）木津 - 奈良まで拡大された<ref name="RJ579_91">[[JR西日本207系電車#鉄道ジャーナル579|『鉄道ジャーナル』通巻579号、p.91]]</ref>。4両編成単独のほか、3両編成を2本連結した6両で運転されることもあった<ref name="RJ579_91" />。なお、松井山手 - 木津間はホーム有効長が4両編成対応であったため、7両編成は松井山手駅で[[増解結]]が行われていた。[[1993年]]には[[宮原総合運転所|宮原電車区]]（現・網干総合車両所宮原支所、以下同じ）にも4両編成が配置され、同年[[3月18日]]から[[福知山線]]（JR宝塚線）[[大阪駅|大阪]] - [[新三田駅|新三田]]間で運用を開始した<ref>『JR電車編成表 '93夏号』ジェー・アール・アール、1993年。ISBN 4-88283-019-1。</ref><ref name="RJ579_91" />。

所属は淀川電車区・宮原運転所から[[西日本旅客鉄道吹田工場|吹田工場]]高槻派出所を経て、[[2000年]]までに全列車が網干総合車両所に変更された。現在は編成番号の変更が行われ、新製時から4両編成だった編成はZ編成、新製時は3両編成だった編成はH編成と称する。

製造開始当時、4両編成のクハ206形と、3両編成のクハ207形およびクハ206形は自動解結装置・電気連結器を装備して100番台として区分されていたが、JR東西線開業前に4両編成のクハ207形 (2 - 17) にも同装備が追加されたため、仕様差はなくなった。

製造当初、JR東西線開業前に同線以外の区間でもパンタグラフを2基使用していたことがあったが、2023年時点では他の番台同様、JR東西線区間のみの使用となっている。冷房装置は集約分散式のWAU702を1両につき2基搭載している。

; 1次車
: [[1991年]]12月から[[1992年]]2月にかけて、制御車および中間電動車からなる4両編成16本64両と3両編成13本39両の計103両（B1 - B16・A1 - A13編成）が落成し、全編成が淀川電車区に配置された<ref name="RF 199604 63" />。

; 2次車
: [[1993年]]2月から3月にかけて、1次車に準じた4両編成7本28両と3両編成3本9両の計37両（B17 - B19・V1 - V4・A14 - A16編成）が落成し、B・A編成が淀川電車区に、V編成が宮原電車区に配置された<ref name="RF 199604 63" />。
: V編成は、宮原運転所に所属していた福知山線用103系の置き換えにも充てられ、4両編成8本32両あった103系のうち、4本16両が玉突きで[[広島運転所]]（現在の[[下関総合車両所#広島支所|下関総合車両所広島支所]]）へ転属している。このグループから仕様が若干変更され、下部が空洞の片持ち式座席となるとともに、4両編成のクハ207形も100番台で製造 (133 - 139) された。
<gallery caption="0番台走行機器各種">
ファイル:JRW Series 207 set H14 inverter control sea side.jpg|VVVF制御装置（浜側）
ファイル:JRW Series 207 set S45 and Z21 at Ashiya station 02 - WPC1 inverter control mountain side.jpg|VVVF制御装置（山側）
ファイル:JRW Series 207 set S45 and Z21 at Ashiya station 03 - WSC28 static inverter.jpg|SIV
ファイル:JRW Series 207 set S45 and Z21 at Ashiya station 10 - air compressor.jpg|電動空気圧縮機
ファイル:JRW Series 207 set S45 and Z21 at Ashiya station 04 - WDT52.jpg|電動台車
ファイル:JRW Series 207 set S45 and Z21 at Ashiya station 05 - WTR235.jpg|付随台車
ファイル:JRW Series 207 set S45 and Z21 at Ashiya station 06 - WTR235 cab side.jpg|付随台車（先頭寄り）
ファイル:JRW Series 207 set S45 and Z21 at Ashiya station 08 - WAU702 air conditioner.jpg|空調装置
</gallery>
{{-}}

=== 1000番台 ===
{{鉄道車両
| 車両名   = 1000番台
| 背景色   = #0072bc
| 文字色   = #ffffff
| 画像     = Series207-1000R-S39F.jpg
| 画像説明 = 1000番台S39編成<br>（2021年6月 [[住吉駅 (JR西日本・神戸新交通)|住吉駅]]）
| 製造所   = [[川崎重工業]]<br />[[近畿車輛]]<br />[[日立製作所]][[日立製作所笠戸事業所|笠戸事業所]]<br />[[西日本旅客鉄道]][[後藤総合車両所]]
| 製造年   = 1994年 - 1997年
| 製造数   = 
| 運用開始 = 1994年3月1日
| 編成     = 3両 (1M2T)・4両 (2M2T)
| 編成定員 = 
| 車両定員 = 
| 自重     = 35.0 t（モハ207形）
| 編成重量 = 
| 台車     = 円錐積層ゴム式<br />WDT55B（電動車）<br />WTR239B（付随車）
| 主電動機 = 200kW（1・2次車、WMT102）<br />220kW（3・4次車、WMT104）
| 主電動機出力 = 
| 制御方式 = [[ゲートターンオフサイリスタ|高周波小容量GTO]]-[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]<br>[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]-VVVFインバータ（体質改善車）
| 制御装置 = WPC3A (1C1M)
| 制動装置 = [[電気指令式ブレーキ|電気指令式]]（[[保安ブレーキ|直通予備]]・[[回生ブレーキ|回生]]・[[抑速ブレーキ|抑速]]）<br />[[純電気ブレーキ]]（体質改善車）
| 保安装置 = [[自動列車停止装置#ATS-S改良形|ATS-SW]],[[自動列車停止装置#ATS-P形（デジタル伝送パターン形）|ATS-P]]<br />[[列車防護無線装置]]
| 備考     = 
}}
[[ファイル:Series207-1000-S52.jpg|thumb|1000番台未更新車]]
{{試聴|filename=JRW207_1000andJRW223_0vvvf.ogg|title=1000番台発車|description=207系1000番台の発車時の磁励音|format=[[Ogg]]}}

東海道本線（JR京都線）、山陽本線（JR神戸線）の103系の置き換えおよびJR東西線開業準備を目的として[[1994年]]（平成6年）から製造されたグループで、同年3月1日から営業運転を開始した<ref>『JR気動車客車編成表 '94年版』ジェー・アール・アール、1994年。ISBN 4-88283-115-5。</ref>。

このグループから電動車ユニット方式が廃止され、同時に0番台には存在しなかったクモハ形式が設定され、一部の車両が後藤総合車両所で製造された（S54・S55編成）。0番台では電動車両に走行機器を集中搭載していたが、本番台では、クモハ形式設定による床下機器設置スペースの都合から電動車両（クモハ207形・モハ207形）には、VVVF 制御装置・補助電源装置を搭載し、付随車（サハ207形・クハ206形）の一部に空気圧縮機などの補機類を搭載する<ref>『鉄道ファン』1996年4月号、交友社、1996年、p.47</ref>。これらの組み合わせでMT比1：1となるように組成された。

制御装置 (WPC3A) には、パワートランジスタ素子の VVVF インバータ制御装置を搭載した0番台とは異なり、[[東芝]]製<ref group="注">一部[[三菱電機]]製があるが磁励音は同一である。</ref>の [[ゲートターンオフサイリスタ|GTOサイリスタ]]素子が採用され、1台のインバータで1基のモーターを駆動する個別制御とした。この制御装置は同じ1994年登場の[[JR西日本281系電車|281系]]や223系0番台でも採用された。

補助電源装置はGTOチョッパ+[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]インバータで構成され、定格容量 122 kVA を備える WSC31 を、空気圧縮機には0番台と同様のレシプロ式 WMH3093-WTC2000A を搭載する<ref name="RF 199604 64" />。

急勾配の多いJR東西線に対応するため、主電動機は出力 200 kW の WMT102 、3次車および4次車は出力 220 kW の WMT104 にパワーアップしている。運転台パネルの計器配置も変更された。冷房装置は集約分散式の WAU702B を1両につき2基搭載している。角に丸いカバーが追加された点が外観上の変更点となっている。

集電装置は、耐寒・耐雪性能に配慮し、耐雪用カバーと架線追従性向上を目的としたダンパー取り付けが施された WPS27D 下枠交差式パンタグラフを電動車両に1基搭載する<ref>『鉄道ファン』1996年4月号、交友社、1996年、pp.44 - 45</ref>。ただし、2基搭載できるように準備工事が施されており、JR東西線開通に合わせて2基搭載に変更された。

; 1次車
: [[1994年]]に基本の6両編成と付属の2両編成がそれぞれ14本ずつ112両製造され、吹田工場高槻派出所（現・網干総合車両所明石支所高槻派出所、以下同じ）に配置され同年3月1日から運用を開始した<ref>『JR電車編成表 '94夏号』ジェー・アール・アール、1994年。ISBN 4-88283-021-3。</ref>。これにより、明石電車区の103系を置き換え、本線系統の普通から103系が運用を撤退した。
: 日中は6両編成で、ラッシュ時は8両編成で運転されたが、運用開始から約1か月間は一部の駅でホームの延長が間に合わず、6両編成のモハ207を抜くことにより、連結した場合でも7両編成で運転を行った<ref name="RJ579_91" />。この時のみ、1100番台の番号が付された、空気圧縮機を搭載したサハ207形が製造されている。

; 2次車
: 1995年3月から4月にかけて、4両編成3本12両と3両編成9本27両の計39両（V5 - V7・V31 - V39編成<ref group="注">明石転属後の編成番号基準では、T15 - T17・S15 - S23編成が該当する。</ref><ref name="RJ579_92">[[#鉄道ジャーナル579|『鉄道ジャーナル』通巻579号、p.92]]</ref>）が落成し、宮原電車区に配置された。同年4月20日のダイヤ改正では、福知山線での運用範囲が[[篠山口駅]]まで拡大された<ref>『鉄道ファン』1995年7月号、交友社、1995年、p.38</ref>。

; 3次車
: 1996年3月に、4両編成2本8両と3両編成4本12両、モハ207形1500番台2両の計22両（T18 - T19・S24 - S27編成）が落成し、T編成が吹田工場高槻派出所に、S編成が淀川電車区に配置された。

; 4次車
: 1996年7月から1997年2月にかけて、3両編成28本の計84両（S28 - S58編成）が落成し、吹田工場高槻派出所に配置された。

JR東西線開業前に組み替えと追加製造が行われ、T編成4両×19編成計76両とS編成3両×55編成計165両となっている。この時、片側（加古川・篠山口側）にしか設置されていなかったパンタグラフが、0番台と同じ2個設置に変更された。その後、0番台同様に全車網干総合車両所に移管されている。

また、0番台に組み込まれ車両番号に500をプラスされた1次車のモハ207形奇数車はパンタグラフを撤去している。ただし、既存の車両では0番台2両が余剰となるため追加で2両新造されているが、屋根上の機器配置は他の1000番台と同様である。<gallery caption="1000番台走行機器各種">
ファイル:JRW Series 207 set S45 and Z21 at Ashiya station 07 - WPC3A inverter control.jpg|VVVF制御装置
ファイル:JRW Series 207 set S15 and T2 Static Inverter.jpg|SIV（S編成S47までとT編成全車のタイプ）
ファイル:JRW Series 207 set S49 static inverter.jpg|SIV（S編成S48以降のタイプ）
ファイル:JRW Series 207 set S15 and T2 air compressor.jpg|電動空気圧縮機
ファイル:JRW Series 207 set S15 and T2 WDT55.jpg|電動台車
ファイル:JRW Series 207 set S15 and T2 WTR239 01.jpg|付随台車
ファイル:JRW Series 207 set S15 and T2 WTR239 02.jpg|付随台車（先頭寄り）
ファイル:JRW Series 207 set S15 and T2 air conditioner.jpg|空調装置（三菱電機製）
</gallery>
{{-}}

=== 2000番台 ===
{{鉄道車両
| 車両名   = 2000番台
| 背景色   = #0072bc
| 文字色   = #ffffff
| 画像     = Series-207-2000-S63.jpg
| 画像説明 = 2000番台S63編成<br>（2021年2月 [[元町駅 (兵庫県)|元町駅]]）
| 製造所   = [[川崎重工業]][[川崎重工業車両カンパニー|車両カンパニー]]<br />[[近畿車輛]]
| 製造年   = 2002年 - 2003年
| 製造数   = 80両
| 運用開始 = 
| 編成     = 3両 (1M2T)・4両 (2M2T)
| 編成定員 = 
| 車両定員 = 
| 自重     = 36.0 t（モハ207形）
| 編成重量 = 
| 台車     = 乾式円筒案内式<br />WDT62（電動車）<br />WTR245（付随車）
| 主電動機 = WMT102B
| 主電動機出力 = 220 kW
| 制御方式 = [[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|3レベルIGBT]]-[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]（[[静止形インバータ]]一体型）
| 制御装置 = WPC13 (1C1M)
| 制動装置 = [[電気指令式ブレーキ|電気指令式]]（[[保安ブレーキ|直通予備]]・[[回生ブレーキ|回生]]（[[純電気ブレーキ|純電気式]]）・[[抑速ブレーキ|抑速]]）
| 保安装置 = [[自動列車停止装置#ATS-S改良形|ATS-SW]],[[自動列車停止装置#ATS-P形（デジタル伝送パターン形）|ATS-P]]<br />[[列車防護無線装置]]
| 備考     = 
}}
{{試聴|filename=207-2000H.ogg|title=2000番台発車(東芝製)|description=207系2000番台の発車時の磁励音|format=[[Ogg]]|filename2=207-2000T.ogg|title2=2000番台停車(東芝製)|description2=207系2000番台の停車時の磁励音|format2=[[Ogg]]}}
学研都市線の輸送改善と103系置き換え目的とし、[[2002年]]（平成14年）から製造されたグループである。車両外観には大きな変化は見られないが、機器艤装は基本的に[[JR西日本223系電車#2000番台|223系2000番台]]をベースとしている。そのため、電動車の戸袋部分に機器冷却のための風洞が設けられた。T編成4両11編成44両とS編成は3両12編成36両の合計80両が在籍し、編成番号は1000番台の続番となっている。

電動車両（クモハ207形・モハ207形）には、車両制御装置<ref group="注">[[可変電圧可変周波数制御|主回路用インバータ]]（VVVF 制御装置）と[[静止形インバータ|補助電源用インバータ]] (SIV) を一体化したもの。</ref>を搭載し、付随車（サハ207形・クハ206形）に空気圧縮機などの補機類を搭載する。

[[主制御器|車両制御装置]] (WPC13) は、[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]] [[半導体素子|素子]]を使用した3レベル電圧形 PWM インバータである。1基の装置中にインバータを5基（主回路部4基+補助電源部1基）搭載し、主回路部はインバータ1基で1台の主電動機を制御する 1C1M 制御方式を採用している。補助電源部は三相交流 440 V 、150 kVA の容量を有しており、主回路部と同じく IGBT を用いた2レベル電圧形 PWM インバータを [[無停電電源装置|CVCF 制御]]し、補助電源部が故障した際には主回路用インバータを CVCF 制御することで補助電源のバックアップとしている。主電動機も同車のものと同型の WMT102B を搭載している。電動空気圧縮機 (CP) は従来のレシプロ式から除湿装置一体型の低騒音型スクリュー式 (WMH3098-WRC1600) に変更され、クハ206形に搭載する。のちに登場する[[JR西日本225系電車|225系]]や[[JR西日本287系電車|287系]]にも採用されている。台車は軸バネ部が乾式円筒案内式とされたWDT62（電動車両）、WTR239B（付随車）となった。

それまでのグループは運転台パネルにデジタル計器が使用されていたが、本番台では223系1000番台以降に準じたアナログ計器に変更された。

内装ではドアが開く際もドアチャイムが鳴るように改良され、試作車を除く全編成も変更された。車端部に車いすスペースを設置している。

この番台から転落防止幌が製造時から設置され、[[2006年]]（平成18年）より稼働中の全編成に設置された。また、落成時からATS-P保安装置を搭載している。

; 1次車
: JR京都・宝塚線の103系置き換えと車両増備のため、[[2002年]]に製造された。
:
; 2次車
: JR宝塚線で日中運行する普通列車を全面的に207系化するために[[2003年]]から製造された。1次車からの変更点として[[緊急列車停止装置]]（EB装置）を装備するようになり、窓ガラスに緑がかった[[紫外線|UV]]カットガラスが採用された。なお、EB装置については既存車についても取付工事が実施されている。
<gallery caption="2000番台走行機器各種">
ファイル:JRW Series 207 set S65 and T23 at Ashiya station 01 - Traction Container.jpg|車両制御装置（山側）
ファイル:JRW Series 207-2000 set T23 traction container sea side.jpg|車両制御装置（浜側）
ファイル:JRW Series 207-2000 set T23 WRC1600 air compressor.jpg|電動空気圧縮機
ファイル:JRW Series 207 set S65 and T23 at Ashiya station 02 - WDT62.jpg|電動台車
ファイル:JRW Series 207 set S65 and T23 at Ashiya station 03 - WTR245.jpg|付随台車
</gallery>
{{-}}

== 改造 ==
=== ATS-P取り付け工事 ===
1994年8月から1995年3月にかけて、0番台量産車のクハ39組78両（クハ207-2 - 17, 101 - 113, 130 - 139・クハ206-101 - 139）に対してATS-P保安装置の取り付けが[[西日本旅客鉄道吹田工場|吹田工場]]で行われた<ref>『鉄道ファン』通巻411号、交友社、1995年7月、pp.87 - 88</ref>。

=== 耐寒耐雪改造 ===
1995年[[12月25日]]に福知山線[[藍本駅]]で0番台4両が[[日本の鉄道事故 (1950年から1999年)#福知山線藍本駅脱線事故|雪によるブレーキ不具合で停止位置を行き過ぎ安全側線に進入し脱線する事故]]が発生。これ以降、0番台に耐雪ブレーキ装備などの耐寒耐雪改造が行われた。

=== JR東西線開業に向けた改造 ===
開業前に運用されていた298両については次のような改造が施工された<ref>『新世紀へ走る JR西日本10年のあゆみ』西日本旅客鉄道</ref>。
* 1000番台の先頭車両に、ATS-P車上装置の取り付け
* 0番台の全車両に1パンタ・2パンタの切換機能の追加
* 1000番台の1パンタ取り付け車を2パンタ化
* 0番台のM車の加速度を1000番台と同一化
* 1000番台車両を0番台へ組み込み
* 0番台量産車のすべて先頭車に自動解結装置取り付け

=== ヨーダンパの追加装備 ===
高速運用時の蛇行を防止する台車の[[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]が途中から追加装備されるようになり、当初準備工事だけであった初期車にも装備され、[[2003年]]までに取り付けが完了した。

=== 帯色変更 ===
[[ファイル:jrw207_newcolor.jpg|thumb|250px|right|帯色変更過渡期の207系2000番台<br />（2005年12月10日 住道駅）]]
2005年11月より[[JR西日本321系電車|321系]]の導入に合わせて車両のイメージチェンジが行われることとなり、塗色が従来の濃淡青から紺とオレンジの組み合わせに変更され、[[2006年]]3月に完了した<ref>{{Cite web |1=和書 |url=http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/050829b.html |title=「207系」電車塗色デザインの変更 |access-date=2022-06-19 |publisher=西日本旅客鉄道 |date=2005年8月29日 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20051106044823/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/050829b.html |archive-date=2005-11-06 }} {{Wayback|url=http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/050829b.html |date=20051106044823 }}</ref>。<!-- 4月に発生した[[JR福知山線脱線事故|福知山線脱線事故]]にとの関連については321系の0.5Mシステムと同様、報道記事ではこう書かれているのが多数存在するが、JR西日本の発表における記述や同社への取材をした点が明確な記事は存在しない。-->

東海道本線（JR京都線）、山陽本線（JR神戸線）を走行していた[[国鉄201系電車|201系]]と205系は、321系導入による転属が決まっていたため対象外であったが、205系に関しては再度同線の運用に戻る際、同様の帯色に変更された。

=== 先頭車間転落防止幌取付 ===
[[ファイル:JRW series207-0 Headside(renewal).JPG|250px|thumb|先頭車間転落防止幌]]
[[2010年]][[12月17日]]に[[舞子駅#ホーム転落事故|舞子駅で発生した乗客転落死亡事故]]により、その対策として編成中間となる先頭車のみ、[[2014年]]から[[2015年]]にかけて全編成への設置が完了した。

=== 吊り手の交換・増設 ===
[[2011年]][[10月19日]]から、本系列と321系の吊り手が225系仕様のものに順次交換および増設が行われている<ref>[http://www.westjr.co.jp/press/article/2011/10/page_902.html 在来線列車に「新しい吊り手」を導入します] {{Wayback|url=http://www.westjr.co.jp/press/article/2011/10/page_902.html |date=20111024192821 }} - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年10月18日</ref>。
{{-}}

=== 体質改善工事 ===
<div style="font-size: 85%; float: right; padding: 1em; ">
{|class="wikitable" style="text-align: center;"
|+ 体質改善施工実績（施工両数：翌年4月1日現在）
|-
!rowspan="2"|施工年度
!colspan="2"|施工工場<br />施工両数
!colspan="2"|番台別施工両数<br />施工済み車輌割合
!rowspan="2"|合計
|-
!style="width:3em;"|網干
!style="width:3em;"|吹田
!style="width:4.5em;"|0番台
!style="width:4.5em;"|1000番台
|-
!2014年
|8<ref name="Hensei2016W_180">『JR電車編成表』2016冬、p.180</ref>
|12<ref name="Hensei2016W_180" />
|20/143<br />''14%''
|0/257<br />''0%''
|'''20/400'''<br />'''''5%'''''
|-
!2015年
|15<ref name="Hensei2016W_364">『JR電車編成表』2016冬、p.364</ref><ref name="Hensei2016S_364">『JR電車編成表』2016夏、p.364</ref>
|0<ref name="Hensei2016W_364" /><ref name="Hensei2016S_364" />
|32/143<br />''22%''
|3/257<br />''1%''
|'''35/400'''<br />'''''9%'''''
|-
!2016年
|29
|10
|52/143<br />''37%''
|22/257<br />''8%''
|'''77/400'''<br />'''''19%'''''
|-
!2017年
|28
|10
|63/143<br />''44%''
|49/257<br />''19%''
|'''112/400'''<br />'''''28%'''''
|-
!2018年
|28
|6
|63/143<br />''44%''
|83/257<br />''32%''
|'''146/400'''<br />'''''37%'''''
|-
!2019年
|24<ref name="RF711_37">『鉄道ファン』通巻711号、付録p.37</ref><ref name="RF711_38">『鉄道ファン』通巻711号、付録p.38</ref>
|8<ref name="RF711_37" /><ref name="RF711_38" />
|80/143<br />''56%''
|98/257<br />''38%''
|'''178/400'''<br />'''''45%'''''
|-
!2020年
|28<ref name="Hensei2022S_176">『JR電車編成表』2022夏、p.176 - 178</ref>
|6<ref name="Hensei2022S_176" />
|88/143<br />''62％''
|124/257<br />''48％''
|'''212/400'''<br />'''''53％'''''
|-
!2021年
|13<ref name="Hensei2022S_365">『JR電車編成表』2022夏、p.365</ref><ref name="Hensei2022S_176" />
|8<ref name="Hensei2022S_365" /><ref name="Hensei2022S_176" />
|99/143<br />''69％''
|134/257<br />''52％''
|'''233/400'''<br />'''''58％'''''
|-
!2022年
|24<ref name="RF747_f38">『鉄道ファン』通巻747号、付録p.38</ref>
|12<ref name="RF747_f38"/>
|115/136<br />''84％''
|154/257<br />''60％''
|'''269/393'''<br />'''''68％'''''
|}
</div>
[[ファイル:207-Nishiakashi.jpg|250px|thumb|原型車（左）と体質改善車（右）]]
本形式の中でも最初に投入された0番台と1000番台は新製から20年以上が経過しているため、接客設備の改善および安全性向上を目的に体質改善工事を行っている<ref name="JRW press 20140922">[http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/09/page_6201.html 207系通勤形電車をリニューアルします!] {{Wayback|url=http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/09/page_6201.html |date=20141006140219 }} - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2014年9月22日</ref><ref>[http://railf.jp/news/2014/09/30/110000.html 207系体質改善車が試運転を実施] {{Wayback|url=http://railf.jp/news/2014/09/30/110000.html |date=20141003025757 }} - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2014年9月29日</ref>。第1陣として網干総合車両所明石支所所属の0番台Z22編成が施工され、2014年[[11月17日]]に営業運転に復帰した<ref>[http://railf.jp/news/2014/11/18/160000.html 207系体質改善車が営業運転を開始] {{Wayback|url=http://railf.jp/news/2014/11/18/160000.html |date=20141121152735 }} - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2014年11月18日</ref>。2022年12月施工のZ20編成をもって、Z編成のリニューアル工事が完了した。

{{試聴|filename=207系体質改善車 ドア閉め音.wav|title=207系体質改善車ドアチャイム|description=207系体質改善車のドアチャイム|format=[[wav]]}}
; 車両外観・床下機器
:* 7両編成時に先頭に立つ運転台側の前照灯を[[ディスチャージヘッドランプ|HID]]に変更し、内側にHID式[[フォグランプ]]（黄色）を追加、貫通扉にワイパー設置<ref name="JRW press 20140922pdf">{{PDFlink|[https://www.westjr.co.jp/press/article/items/140922_00_207.pdf 207系通勤形電車のリニューアルの概要] - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2014年9月22日}}</ref>。なお、中間に入る4両編成のクハ206形と3両編成のクモハ207形の前照灯はシールドビームで存置されている。
:** [[2018年]]12月以降に検査あるいは体質改善工事を施工された車両は前照灯がLEDに、フォグランプは橙色に変更されている<ref>[https://rail.hobidas.com/rmnews/256898/ 【JR西】207系Z13編成 検査出場] {{Wayback|url=https://rail.hobidas.com/rmnews/256898/ |date=20210522113026 }} - 鉄道投稿情報局 鉄道ホビダス 2018年12月6日</ref>。
:* オフセット衝突および側面衝突対策として車体の補強を実施<ref name="JRW press 20140922" /><ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 前面を321系に準じたデザインに変更、運転士側の窓を縮小し、スカートを強化型に交換<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 行先表示器をフルカラーLEDに変更（側面右端には号車番号表示機能追加）<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:** 2023年より、体質改善済みの編成を対象<ref name=rm449339>{{Cite web |1=和書 |title=【リニューアルで装いも新たに】207系にLEDの種別表示車が登場 {{!}} 鉄道投稿情報局 |url=https://rail.hobidas.com/rmnews/449339/ |website=鉄道ホビダス |access-date=2023-05-07 |language=ja }} {{Wayback|url=https://rail.hobidas.com/rmnews/449339/ |date=20230507075232 }}</ref>に種別表示器がフルカラーLEDに変更されている<ref name=rm449339 />。
:* [[車側灯]]の変更<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 車両異常挙動検知装置の設置<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 主電動機・制御装置・補助電源装置など、床下電子機器類の更新<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 前面のデザインを変更<ref name="JRW press 20140922pdf">{{PDFlink|[https://www.westjr.co.jp/press/article/items/140922_00_207.pdf 207系通勤形電車のリニューアルの概要] - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2014年9月22日}}</ref>。

;車内設備
:* 化粧板と床材の取り替え<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 編成の両先頭車に[[車椅子スペース]]を新設<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 車内照明器具を蛍光灯からLEDに変更の上、蛍光灯カバー撤去<ref name="JRW press 20140922pdf" />（未施工の車両も存在）。
:* 7人掛け座席の中央部に新たに仕切り板と[[スタンションポール|握り棒]]を設置し、6人掛けのバケットシートに変更<ref name="JRW press 20140922" />。
:* 消火器の移設<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 握り棒の色と形状の変更<ref name="JRW press 20140922pdf" />。
:* 戸閉予告案内装置をチャイム式から音声式へ変更<ref name="JRW press 20140922pdf" />。

<gallery>
ファイル:Series207-0R-Z21.jpg|0番台体質改善車（LED前照灯）
ファイル:JRW207-1000 Constitution improving car.jpg|1000番台体質改善車（HID前照灯）
ファイル:JR West 207 S38 20160806.jpg|先頭車間転落防止幌を装備した中間運転台<br />クモハ207-1057
ファイル:JRW series207-0 distination(renewal).JPG|更新された行先表示器
ファイル:207-S13.jpg|種別表示器もLED化された 207系1000番台体質改善車
</gallery>
<gallery>
ファイル:207系体質改善車 車内.JPG|車内全景
ファイル:JRW series207-0 seat(renewal).JPG|座席
ファイル:207系体質改善車 優先座席.JPG|優先座席
</gallery>
<gallery>
ファイル:207系体質改善車 車いすスペース.JPG|車いすスペース
ファイル:JRW series207-0 ledinfomation(renewal).JPG|車内案内表示装置
ファイル:JRW series207-0 Driver's cab(renewal).JPG|運転台
ファイル:JR 207 Series renovation-car Gooddesign Award Plate.JPG|ナンバープレート下に[[グッドデザイン賞]]受賞ロゴ
</gallery>

== 本系列を用いた試験 ==
=== 転落防止カバー試験 ===
[[2010年]]12月17日にJR神戸線[[舞子駅]]で旅客が列車の先頭車同士の連結部から転落し、列車に轢かれ死亡する事故が発生した<ref name="kobe20110529">{{Cite web |1=和書 |url=http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004113644.shtml |title=転結部の前照灯を点灯 ホーム転落防止へ JR西日本 |access-date=2022-06-19 |publisher=神戸新聞社 |date=2011年5月29日 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20110601185003/http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004113644.shtml |archive-date=2011-06-02 |website=神戸新聞NEWS |deadlinkdate=2022-06-19 }} {{Wayback|url=http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004113644.shtml |date=20110601185003 }}</ref>。この事故の対策で、一部の車種<ref group="注">国鉄時代に製造された[[気動車]]や[[JR西日本キハ120形気動車|キハ120形]]が該当する。</ref>や他社線に乗り入れる列車をのぞき本系列を含めた全車種で、先頭車同士を連結した部分の[[前照灯#鉄道車両|前照灯]]を終日点灯させる取り組みを[[2011年]][[5月1日]]から始めた<ref name="kobe20110529" />が、ハード面での対策として207系1編成（3両+4両）の先頭車に転落防止カバーを取り付け、試行を行っている。転落防止カバーは前照灯の下に合計4か所取り付けられ、約半年間効果を検証するとしている。転落防止カバーの取り付けに合わせて音声警報装置も取り付けられた。なお転落防止カバーは、本採用されなかった。

=== 試験品機器類の搭載 ===
2014年より開始された体質改善工事を前に、同年1月からH9編成（モハ207-511）に試験品の制御装置と補助電源装置<ref>[https://rail.hobidas.com/rmnews/246825/ 【JR西】207系H9編成試運転] {{Wayback|url=https://rail.hobidas.com/rmnews/246825/ |date=20220501231045 }} - 鉄道投稿情報局 鉄道ホビダス 2014年1月24日</ref>を搭載した。なお、2022年4月にH9編成が体質改善工事を受けたことで事実上終了している。

== 福知山線脱線事故による影響 ==
{{see also|JR福知山線脱線事故}}
[[2005年]][[4月25日]]の午前9時18分頃、[[福知山線]][[尼崎駅 (JR西日本)|尼崎駅]] - [[塚口駅 (JR西日本)|塚口駅]]間で[[宝塚駅|宝塚]]発[[同志社前駅|同志社前]]行上り[[快速列車|快速]]5418M（7両編成）が右カーブで7両中5両が脱線し、うち先頭2両が進行方向左側の線路沿いにあるマンション1階に激突、大破する事故が起きた。

事故当該編成は、Z16編成（4両）とS18編成（3両）である。2編成は、Z16編成を先頭に途中の[[京田辺駅]]まで併結して運転した後、京田辺駅でS18編成を切り離し、Z16編成のみの4両が同志社前駅まで向かう予定だった。Z16編成の同志社前方の2両は原形が全く残らないほどに大破した。3両目、4両目もすべての台車が脱線し、車体が歪むほどの衝撃を受けている。後方に連結されたS18編成も、半数以上の台車が脱線した。

{| class="wikitable" style="text-align: center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 2em;"
|-style="border-bottom:solid 5px #0072bc;"
|style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|colspan="7"|{{TrainDirection|同志社前・京田辺・尼崎|塚口・宝塚}}
|-
!車両
|style="width:6em;"|クハ207<br />-17
|style="width:6em;"|モハ207<br />-31
|style="width:6em;"|モハ206<br />-17
|style="width:6em;"|クハ206<br />-129
|style="width:6em;"|クモハ207<br />-1033
|style="width:6em;"|サハ207<br />-1019
|style="width:6em;"|クハ206<br />-1033
|-
!編成番号
|colspan="4"|Z16編成
|colspan="3"|S18編成
|}

脱線した車両のうちZ16編成の4両については事故当日に車籍を抹消され、鉄道線復旧時に事故現場で解体された。S18編成は塚口駅へ人力回送された後、[[国鉄DD51形ディーゼル機関車|DD51]]の牽引で[[宮原総合運転所]]に搬入され、4両目が接触し前面が破損していたクモハ207-1033にはブルーシートが掛けられた。この3両は重要証拠として[[兵庫県警察|兵庫県警]]に押収され、県警の施設でZ16編成4両の台車などと共に保管された。

鉄道書籍によると、これら3両は警察の指示で返却または除籍許可が出るまでは車籍抹消ができないため車籍こそあるものの<ref>『JR電車編成表』'06冬号 ジェー・アール・アール・『鉄道ファン』2006年7月号 交友社</ref><ref>『鉄道ファン』2008年7月号では未だに後ろ3両の車籍は残されており、クハ206-1033は保留車と表記されている。</ref>、車両が破損していること、事故の証拠として今後の裁判に使用される可能性があること、また事故を風化させない目的から、JR西日本では警察から返却され次第[[廃車 (鉄道)|廃車]]とし、[[大阪府]][[吹田市]]の社員研修センター敷地内の[[鉄道安全考動館]]に保存する予定としている。[[2011年]][[2月2日]]に[[神戸地方検察庁]]は保管していた同編成を同年[[2月1日]]付でJR西日本に返還した。その後、[[2018年]]（平成30年）[[11月17日]]に事故の風化防止および社員教育への活用のため事故当該の7両を保存する意向を明らかにした<ref>{{cite news |title=ＪＲ西社長 脱線事故車両、社員教育活用へ　全７両保存し |newspaper=毎日新聞 |date=2018-11-17 |url=https://mainichi.jp/articles/20181118/k00/00m/040/094000c |accessdate=2018-11-22 |archive-date=2018年11月22日 |archive-url=https://web.archive.org/web/20181122052001/https://mainichi.jp/articles/20181118/k00/00m/040/094000c }}</ref>。すでに解体されたZ16編成の4両に関しては、復元が困難だとして、部品ごとに<ref>{{Citation|title=“ＪＲ福知山線脱線衝突事故”から１６年 事故車両の保存方法 １～４両目は部品ごと整理|url=https://www.youtube.com/watch?v=v9cIkoWD22I|language=ja-JP|access-date=2022-07-06|archive-date=2022年7月6日|archive-url=https://web.archive.org/web/20220706163859/https://www.youtube.com/watch?v=v9cIkoWD22I}}</ref>[[2024年]]秋に社員研修センターに設置される専用設備（鉄道安全考動館とは別施設）に保存される予定である。

この7両が使用不能となったことにより[[森ノ宮電車区]]から103系が貸出され、さらに予備車確保のために[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]から103系8両を購入し、代走車とした。その後は[[JR西日本321系電車|321系]]を予定より3編成21両<ref group="注">1編成が廃車された本系列の補填で、残る2編成はゆとりダイヤ導入などに伴う所要時間増による運用増への対応。</ref>多く投入して車両不足を補った。

2024年3月31日付でS18編成3両が除籍された<ref name=":0">{{Cite book|和書 |title=鉄道ファン |date=2024年7月1日 |publisher=交友社 |page=付録39 |volume=通巻759}}</ref>。

== 運用 ==
2023年3月18日現在、在籍する全車両473両が[[網干総合車両所]]明石支所に配置されている<ref name="JRR 2023w 410">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2023冬 交通新聞社、2022年、p.410。ISBN 9784330067223。</ref>。2023年3月18日現在の定期運用は次の通りで、[[JR西日本321系電車|321系]]と共通運用されている<ref name="RJ579_93">[[#鉄道ジャーナル579|『鉄道ジャーナル』通巻579号、p.93]]</ref>。

* [[琵琶湖線]]・[[JR京都線]]・[[JR神戸線]]（東海道・山陽本線）：[[草津駅 (滋賀県)|草津駅]] - [[加古川駅]]間
** 日中は[[高槻駅]] - [[西明石駅]]間で運用され、京都乗り入れは日中を除く時間帯、加古川乗り入れおよび草津乗り入れは平日朝ラッシュのみ行っている。
* [[JR宝塚線]]（福知山線）：[[尼崎駅 (JR西日本)|尼崎駅]] - [[篠山口駅]]間
** 日中は尼崎 - 篠山口間で運用される。宝塚以北に乗り入れる列車は日中は区間快速が主だが、過去には尼崎 - 新三田間で日中も各駅停車で運用されていた。基本的にJR京都線およびJR東西線・学研都市線と直通運転を行い、快速・普通として運転されている。大阪 - 篠山口間で運行される区間快速、快速は大阪 - 尼崎間で最高時速120km/hを出す。大阪発着の列車に充当されることもあり、その場合は上り1本を除いて[[列車線]]を走行するため、普通列車でも[[塚本駅]]を通過する。
* [[JR東西線]]：全線
* [[片町線|学研都市線]]（片町線）：全線
** JR神戸線・JR宝塚線と直通運転を行うほか、学研都市線内完結の運用もあり、普通・区間快速・快速として運転される。
* [[和田岬線]]：全線
* [[大和路線]]（関西本線）：[[奈良駅]] - [[木津駅 (京都府)|木津駅]]間
** 早朝・深夜のみ。

[[和田岬線]]には103系の代走で運用されることがあったが<ref>[http://railf.jp/news/2011/08/07/060000.html 和田岬線に207系が入線] {{Wayback|url=http://railf.jp/news/2011/08/07/060000.html |date=20201125192615 }} - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2011年8月7日</ref>、2023年3月19日からはT3編成の5-7号車と、T18編成の4-6号車を組成した6両固定編成のX1編成が103系を完全に置き換えて定期運用に充当されている<ref>[https://news.mynavi.jp/article/20230321-2632298/ JR西日本207系X1編成を充当 - 103系引退後の和田岬線、日常に戻る] {{Wayback|url=https://news.mynavi.jp/article/20230321-2632298/ |date=20230321132206 }}2023年3月21日付、マイナビニュース</ref>。

;過去の運用区間
* [[2016年]]（平成28年）[[3月25日]]までは朝夕に[[湖西線]]の[[堅田駅]]・[[近江舞子駅]]までの運用が存在した。毎年12月に開催される「[[神戸ルミナリエ]]」の際や、その他のイベントが行われる際に臨時の[[新快速]]として運用されることがある。
* [[2002年]][[8月31日]]には[[赤穂線]]の[[相生駅 (兵庫県)|相生駅]] - [[播州赤穂駅]]間でも[[臨時列車]]として運用されたことがある<ref group="注">[[兵庫県立赤穂海浜公園]]で開催された「[[モーニング娘。]] CONCERT2002夏 “LOVE IS ALIVE”」の来場客輸送を目的とした臨時列車（一部は岡山 - 相生間直通の定期列車を播州赤穂駅で系統分割）として運行。</ref>。
* [[新大阪駅|新大阪]] - 奈良間を[[おおさか東線]]・大和路線経由で運転の[[おおさか東線#直通快速|直通快速]]で運用時には120km/h運転を実施していた。なお、直通快速は2023年3月のダイヤ改正で[[吹田総合車両所]]奈良支所の[[JR西日本221系電車|221系]]8両編成に置き換えられる形で撤退した<ref name="mynavi20221209">{{Cite web |1=和書 |url=https://news.mynavi.jp/article/20221209-2533639/ |title=JR西日本、大阪駅(うめきたエリア)開業後におおさか東線が乗入れへ |access-date=2022-12-10 |publisher=マイナビ |date=2022-12-09 |website=マイナビニュース |quote=直通快速も221系に置き換えるとのこと。 }} {{Wayback|url=https://news.mynavi.jp/article/20221209-2533639/ |date=20221210060259 }}</ref><ref>{{Cite web |1=和書 |title=JR西、うめきた新駅の発着列車ダイヤ概要を発表（鉄道コム） |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/b2f9aaf7fbcde01bcfad14c717a8890571dbeaf4 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2022-12-09 |language=ja }} {{Wayback|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/b2f9aaf7fbcde01bcfad14c717a8890571dbeaf4 |date=20221209115222 }}</ref>。

==廃車==
2005年4月25日に発生した[[JR福知山線脱線事故]]の影響でZ16編成は事故当日に、S18編成は2024年3月31日付で除籍された<ref name=":0" />。

2022年4月6日、量産先行車のF1編成が網干総合車両所明石支所から吹田総合車両所に回送され<ref name=rf20220407>{{Cite web |1=和書 |title=207系量産先行車が吹田へ｜鉄道ニュース｜2022年4月7日掲載｜鉄道ファン・railf.jp |url=https://railf.jp/news/2022/04/07/090000.html |website=鉄道ファン・railf.jp |accessdate=2022-04-07 |language=ja }} {{Wayback|url=https://railf.jp/news/2022/04/07/090000.html |date=20220407041254 }}</ref>、同年4月7日付で廃車された<ref name="JRR 2023w 360"/>。

== 編成表 ==
背景色が{{color|#cf9|■}}黄緑の車両 (7両編成の5号車) は[[女性専用車両]]である<ref group="注">ただし、おおさか東線・大和路線では駅側の案内が201系・221系6両編成に合わせられているため実施されていない</ref>。なお、学研都市線松井山手経由の区間快速・快速と、[[2023年]][[3月17日]]以前のおおさか東線・大和路線[[王寺駅|王寺]]経由の直通快速では、[[奈良駅]]基準で編成の向きが反転していた。T3編成の5 - 7号車と、T18編成の4 - 6号車を合わせて6両固定編成のX1編成となり2023年3月19日から和田岬線で運用されている。

{| class="wikitable" style="text-align: center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 2em;"
|+ 編成表（2023年4月1日現在）<ref>{{Cite book|和書|title=JR電車編成表2023夏|publisher=交通新聞社|date=2023-05-18|pages=177-181|editor=ジェー・アール・アール|isbn=978-4-330-02423-3}}</ref>
|- style="border-bottom:solid 5px #0072bc;"
! style="background-color:#ddd;" |番台
! style="background-color:#eee;" |編成番号
| colspan="6" |{{TrainDirection|野洲・木津・奈良（学研都市線経由）|加古川・篠山口}}
|-
! rowspan="3" style="background-color:#ddd;" |0番台
! style="background-color:#eee;" |Z1 - Z15
|クハ207<br />-#0<br />(Tc)
|モハ207<br />-#0<br />(M1)
| style="background-color:#cf9;" |モハ206<br />-#0<br />(M2)
|クハ206<br />-#100<br />(T'c)
| colspan="2" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|-
! style="background-color:#eee;" |Z17 - Z23
|クハ207<br />-#100<br />(Tc)
|モハ207<br />-#0<br />(M1)
| style="background-color:#cf9;" |モハ206<br />-#0<br />(M2)
|クハ206<br />-#100<br />(T'c)
| colspan="2" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|-
! style="background-color:#eee;" |H1 - H16
|クハ207<br />-#100<br />(Tc)
|モハ207<br />-#500<br />(M1)
| style="background-color:#cf9;" |モハ207<br />-#1500<br />(M2)
|クハ206<br />-#100<br />(T'c)
| colspan="2" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|-
! rowspan="5" style="background-color:#ddd;" |1000番台
! style="background-color:#eee;" |T1・T2<br />T4 - T14
|クモハ207<br />-#1000<br />(Mc)
|サハ207<br />-#1100<br />(T1)
| style="background-color:#cf9;" |モハ207<br />-#1000<br />(M)
|クハ206<br />-#1000<br />(T'c)
| colspan="2" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|-
! style="background-color:#eee;" |T15 - T17<br />T19
|クモハ207<br />-#1000<br />(Mc)
|サハ207<br />-#1000<br />(T)
| style="background-color:#cf9;" |モハ207<br />-#1000<br />(M)
|クハ206<br />-#1000<br />(T'c)
| colspan="2" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|-
! style="background-color:#eee;" |S1 - S55
|クモハ207<br />-#1000<br />(Mc)
|サハ207<br />-#1000<br />(T)
|クハ206<br />-#1000<br />(T'c)
| colspan="3" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|-
!X1
| style="width:6em;" |クモハ207<br />-1003<br />(Mc)
| style="width:6em;" |サハ207<br />-1103<br />(T)
| style="width:6em;" |モハ207<br />-1006<br />(M)
| style="width:6em;" |サハ207<br />-1027<br />(T)
| style="width:6em;" |モハ207<br />-1032<br />(M)
| style="width:6em;" |クハ206<br />-1041<br />(T'c)
|-
!Y1
|クモハ207<br />-1041<br />(Mc)
|クハ206<br />-1003<br />(T'c)
| colspan="4" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|-
! rowspan="2" style="background-color:#ddd;" |2000番台
! style="background-color:#eee;" |T20 - T30
|クモハ207<br />-#2000<br />(Mc)
|サハ207<br />-#2000<br />(T)
| style="background-color:#cf9;" |モハ207<br />-#2000<br />(M)
|クハ206<br />-#2000<br />(T'c)
| colspan="2" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|-
! style="background-color:#eee;" |S56 - S67
|クモハ207<br />-#2000<br />(Mc)
|サハ207<br />-#2000<br />(T)
|クハ206<br />-#2000<br />(T'c)
| colspan="3" style="background-color:#ccc;" |&nbsp;
|}

* '''組成の変遷'''
{| style="border:solid 1px #999; padding:1em; margin:1em 0em 2em 2em;"
|-
| colspan="2" style="border-bottom:solid 3px #0072bc;" |{{TrainDirection|木津・京都|篠山口・西明石}}
|-
| colspan="2" |
*1991年 -
|-
| colspan="2" |
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ206<br />-#0
| style="width:6em;" |サハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |サハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#0
|}
|-
| colspan="2" |
*1991年12月 - 
|-
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ206<br />-#0
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#100
|}
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クハ207<br />-#100
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#100
|}
|-
| colspan="2" |
*1993年3月 - 
|-
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クハ207<br />-#100
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ206<br />-#0
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#100
|}
|-
| colspan="2" |
*1994年3月 - 
|-
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クモハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#1000
|}
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クモハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |サハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |サハ207<br />-#1100
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#1000
|}
|-
| colspan="2" |
*1997年3月以降、組成変更した後の編成 
|-
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クモハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |サハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#1000
|}
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クモハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |サハ207<br />-#1000(1100)
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#1000
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#1000
|}
|-
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ206<br />-#0
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#0
|}
|
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center; margin:0em 0em 0em 1em;"
|-
| style="width:6em;" |クハ207<br />-#0
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#500
| style="width:6em;" |モハ207<br />-#1500
| style="width:6em;" |クハ206<br />-#100
|}
|}

== 国鉄→JR東日本の207系との関係 ==
[[日本国有鉄道]]（国鉄）が導入し、民営化後の[[東日本旅客鉄道]]（JR東日本）で[[2009年]]まで運用された同名の[[国鉄207系電車|207系]]は、4ドアのVVVFインバータ制御車であることを除き設計が大きく異なるものの、『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』や『[[鉄道ゼミナール]]』等の鉄道趣味媒体では同形式として扱われている<ref name="鉄道ファン724">{{Cite journal |和書 | journal = [[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] | author =  | title = 現在も活躍するJR旅客会社の国鉄形車両 | year = 2021 | month = 8 |volume = No.724 | issue =  | pages = pp.  64-71 |publisher= [[交友社]] |ref= RF2108 }}</ref>{{refnest|group="注"|一例として、『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』誌において毎年特集が組まれる「JR車両ファイル」の'''国鉄形車両の残存率にJR西日本の207系を計上'''している（2021年4月1日現在で残存率4800&nbsp;%となっている）<ref name="鉄道ファン724"/>。}}。これは、国鉄時代の形式を継承しつつも民営化後にJR西日本が別設計で導入した[[JR西日本183系電車|183系]]や[[国鉄211系電車#スーパーサルーンゆめじ|211系]]、[[JR西日本415系電車|415系]]と同様のケースであった。

なお、JR西日本の207系には900番台が存在しないため、車両番号の重複は発生していない。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}

=== 出典 ===
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite journal|和書|author=柴田東吾 |year=2015 |month=1 |title=JR西日本207系の歩みと現状 |journal=[[鉄道ジャーナル]] |issue=579 |pages= 90 - 93 |publisher=[[鉄道ジャーナル#鉄道ジャーナル社|鉄道ジャーナル社]] |ref = 鉄道ジャーナル579}}

== 関連項目 ==
{{Commonscat|JR West 207}}
{{JR西日本の車両リスト}}

{{DEFAULTSORT:しえいああるにしにほん207けいてんしや}}
[[Category:西日本旅客鉄道の電車|207]]
[[Category:1991年製の鉄道車両]]
[[Category:川崎重工業製の電車]]
[[Category:近畿車輛製の電車]]
[[Category:日立製作所製の電車]]
[[Category:鉄道事業者製の鉄道車両]]
[[Category:鉄道車両関連]]